第3話 日常の変化で熱が出てしまいました!
「お母さん! お母さん! なんで! どうして!」
「....」
「置いていかないでよ! ねえ! お母さん!」
「....」
「お母さーーーん!!」
っ! なんだ夢か。
最近変な夢を見るようになった。
....! なんか体がだるい。
体温計どこだっけ。
うわ。どうしよ38.5度って。
とりあえず連絡しないと。
「もしもし」
「あ~、北沢くんやっと出た。何回も電話かけてたのに」
「ごめん。ちょっと体だがだるくて」
「体温測ったの?」
「うん。38.5度だった」
「なになに! きたっち風邪?!」
「とりあえず今日はゆっくり寝ててね」
「あぁ。ありがとう町田さん。そうするよ」
久しぶりだな。
こんなに熱を出すことなんて。
なんだか....また眠たく....
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「北沢さん。大丈夫?」
「なんで町田さんがここにいるの」
「今日熱で学校来なかったでしょ? だからプリントとか持ってきたよ」
「ありがとう。でも俺の身体は丈夫だから心配すんな! 熱なんてすぐ消えるさ」
「そうなんだー。じゃあ私帰るね」
お母さん、辛いよ。
熱しんどいよ....
ねぇ、、ねぇ、、
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ピンポーン ピンポーン
「おーい。晴斗いるか~!」
「あれ、今日買い物なんじゃ....」
「友達が苦しんでるのに遊んでられるかよ」
「そうか」
「きたっち! 元気出してー!」
あれ....また涙が....
「大丈夫ですか? 晴斗さん」
「あ、うん。大丈夫だよ。ありがとう」
「きたっちは泣き虫だね!!」
「違うわ! そういえば町田さんは?」
「あ~町田さんか。なんか『北沢くんなら身体が丈夫だから心配しなくていいよ』って言って帰ってったよ」
「そうなんだ」
「話長くなっちゃったな。ごめん。これ色々買っといたから。じゃあお大事に!」
「「お大事に~」」
「あ、ありがとう」
俺の為に買ってきてくれたのか。
こんな事過去に1回しかなかったな。
仮の友情ならこんな事しない。
彼らのことを信じてみてもいいのかもしれないな。
「はいはいー。黄昏てるとこ失礼します」
「物音立てずに入ってくるのはやめろよ。てかなんで町田さんここに来たんだ? 帰ったんじゃないのか?」
「あー。北沢くんの家には材料ないだろうなーって思って」
「材料?」
「キッチン借りるよ」
「あぁ」
一体どういうことだ。
いきなり来るなんて。
それより材料ってなんだ。
考えることが多すぎて頭が痛いからとりあえず考えるのはやめておくか。
「出来たよ。おかゆ」
「町田さんって料理出来たんだ!」
「失礼だね。作れるのは当たり前でしょ」
「当たり前ではないけど、まぁ、ありがとう」
「どういたしまして」
「お~! 普通に美味しいな!」
「普通は余計だけどね」
「やっぱり俺には町田さんがいないと生きてけないなぁ」
「?! え! あ?! そ、そうだね」
「ん? 町田さんどうした?」
「え!? な、なにが?!」
「いやなんか顔赤いから町田さんも熱なのかなって」
「あ、あぁ~、私は大丈夫だよ」
「そう? 町田さんに移ったらあれだからもう帰っても大丈夫だよ」
「熱は大丈夫になったの?」
「俺の身体、丈夫だし。熱なんて数時間も経てば消えるから心配しなくていいよ!」
「そうなんだー。気をつけてね。お大事にー」
「今日はなんか色々ありがとう」
今日の町田さんは少し変だったな。
もしかしてほんとうに熱が移ってたりして?!
なんだかまた眠たくなってきたな。
今日はもう寝よう。
◇北沢くんのハレ!◇
土曜日に遠足の買い出しに行こうと約束したのにまさかの熱を出しちゃった俺。
その埋め合わせの為に日曜日に改めてみんなで買い出しに行く事にした。
初めて友達と行く買い物はとても楽しかった。
それにみんなの事についても少し知る事も出来たし、最高の1日だった。
明日はいよいよ遠足だ。
遠足と言ってもどうやら班でカレーを作るらしい。
友達と仲良く作るカレーはどんな味がするんだろう。
初めて心を踊らせながら俺は眠りについた。
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