第10話 お世話になったお店 四方吉(しほきち)

 ポーと正行の出会いのシーンでカレーうどんを食べる際の参考にした店が四方吉さん。


 時々、テレビに出ている有名店らしいが私の家の近くにありながらもなんとなーく、知っているが食べたことは無い。


「先輩、それもったいないです」


 こう言ったのは職場の後輩だ。(以後、後輩君と呼ぶ)


「なんで?」


「あそこのうどんはわが心のふるさと四国・香川のうどんにもっとも近いうどんです」


 彼は神奈川生まれで転勤族の父とともに日本を渡り歩きうどんの美味さに開眼した男。


 以前、某うどん屋さんで同席したが、まあ、食べるのが早い早い。


「先輩みたいに食べてたら伸びます」


 私も早食いなのに……



 まあ、後輩に勧められるまま週末に四方吉に言った。


 後輩君が「固いだけがうどんじゃないんです」というのが分かる、実に不思議な歯ごたえ。


 汁なども美味い。


 辛いけど少しまろやかクリーミーな味わい。



 なお、後輩君のコメント。

「香川のうどんで鉄板なものですか? 半熟卵天? なにそれ? あー、それ、たぶん旅行者用ですよ……俺はゲソ天だと思いますけど」

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