死にたくないので婚約破棄したのですが、直後に辺境の軍人に嫁がされてしまいました 〜剣王と転生令嬢〜
I.Y
第1話 待ち望んだ婚約破棄
空一面に、
多くの傘下国を従える世界有数の大国、レイティーン帝国。広大な海にも
青年の名は、アデル・エディ・ロクス・レイティーン。レイティーン帝国第二皇子。軍階級において最高級の階級、
「ラダベル・ラグナ・デ・ティオーレ。お前との婚約を
桜色の唇から紡がれた死刑宣告さながらの低い声色。アデルが放つ眼光の先にいるのは、九段の階段の下、花道の中央で
彼女の名は、ラダベル・ラグナ・デ・ティオーレ。レイティーン帝国ティオーレ公爵家の令嬢だ。腰下まで
ラダベルは、今にも緩んでしまいそうな表情筋を
(お決まりの
「仕方なくお前と婚約したが、今思えば
ラダベルに
「だがまぁ、お前がどうしてもと言うなら……結婚はしてやろうと思う。僕は
アデルは大事なところで
(この時を、待っていたの)
ラダベルは表情筋を機能させることを諦め、開き直ったかのように
「分かりました」
「婚約破棄いたしましょう、第二皇子殿下」
名高い悪女とは到底思えない、
アデルは
「これまで、私のわがままで殿下を振り回してしまい、申し訳ございません。心より謝罪をいたします。この罪はどこかで必ずや
(償わないけど)
ラダベルは、完璧な作法で一礼をする。
「失礼いたします」
堂々たる風格。ラダベルは
(さぁ、本当の物語の幕開けよ)
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