海からよぶもの

篠原 鈴音

1日目・昼

 大学生のころの話だ。


 私は当時運動サークルに所属していて、1年生の夏、某県の海辺で二泊三日の合宿をすることになった。

 参加人数は結構多くて、確か10人弱がいたと思う。


 宿は海に近い場所だった。風が吹くように、波音が聞こえてくる。

 私たち以外には、合宿客はおろか一般客も見当たらない。ほとんど貸切状態だ。


 盛りは過ぎたがまだまだ暑く、海には入れるだろう。近くには浜辺もあるらしく、「水着持ってくればよかったね」と言い合った。

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