【完】底辺おじさん、大人気アイドルを救って“大バズり”してしまう〜おじさんとコラボしたいってマジで言ってるんですか?〜
腹ペこ。
おじさん、アイドルの悲鳴を聞く
俺の名前は
「さぁて、“おじさんチャンネル”今日も開幕!」
元気よくスマホで動画配信をスタートさせ、ダンジョンへと潜り始める。
「今日は、ダンジョンの最下層までの配信をお届けするよー!」
ちなみにチャンネル登録者は1人のド底辺配信者である。
《……》
《……》
《……》
当然だれからもコメントはつかない。
「ふぅ、俺、結構長いこと配信やってんだけどなぁ……。やっぱおじさんなんかに需要はないのかね……」
ふぅーと長めのため息をひとつ。
俺が配信を始めた理由はモテたいから。以上。シンプルイズベスト!
俺は今まで彼女が出来たことは一度もないし、友達もいない。悲しいね……。
「お金だけがあってもむなしいだけだと最近、やっと気づきました……」
だから配信者になれば人気者になってモテると思ったのに……はぁ……。
「最近流行ってるアイドル系配信者の“
《頑張ってください! 今から私も仕事です。行ってきます!》
スマホからコメントが音声出力される。
「おっ、いつもの“チョコプリン”ちゃんかな? 君だけだよ、俺にいつもコメントしてくれるの。いつもありがとねー」
俺のチャンネルの唯一の登録者だ。この子は本当に俺の支えになっている。
「この子のコメントがなかったら、俺は配信者をとっくに辞めていたかもしれないな」
俺はコメントに元気をもらい歩き出す。
♢
「“あれ”からもう20年かぁ。早いもんだな」
現代社会にダンジョンが現れてからはや10年。世界の在り方は一変してしまった。
「まさかこの世界が“剣と魔法のファンタジー”になるなんて思いもしなかったよ。長生きはしてみるもんだな」
ダンジョンからあふれる魔力によって、人体に変化が起き、力が極端に強くなったり、魔法が使えるものまで出現した。
「おっと──」
下層までおりた途端に殺気が増した。
「ひぃ、ふぅ、みぃ、A級モンスターのギガントゴブリンが3匹。やっぱり下層は違うな!」
ダンジョンは上層、中層、下層、最下層の4つに区分される。下に行くほど、モンスターも強くなる傾向にあるようだ。
「さぁて、一丁、やりますか! 《クリエイト“ソード”》!」
俺の能力は『スーパークリエイト』。様々な“モノ”から武器や防具などを“造る”ことができる。
「この能力は“ユニークスキル”。俺だけの能力だ!」
そして俺は“空気”にふれる。そして空気から剣を“造る”。つまりこの剣は“空気の特性”を得た剣ということになる。
「へへっ、空気の剣だ。見えないだろ?」
ギガントゴブリン3匹が俺に向かって、突進してくる。
『ギャギャギャギャギャギャ!』
俺は刀を構え、放つ。
「────『
俺の剣から放たれた風が、ギガントゴブリン達を横なぎに
『ギエエエエエエエエエエエエエ!』
ギガントゴブリンは3匹とも真っ二つになり、その後、霧となって消え失せた。
俺は造った剣を解除する。剣を維持させておくだけでも魔力の消費があるからね。
「さぁて、ドロップ品はっ──と。『ゴブリンこんぼう』『ゴブリンの布切れ』『ゴブリンこんぼう極』か。おっ、『ゴブリンこんぼう極』は悪くない。今夜は美味い酒が飲めそうだ」
もちろん、一人酒だけどな! はは……。
「きゃああああああああああ!」
「!?」
その時、最下層の方から女性の悲鳴が聞こえた。
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