第5話 Devil`s fall

灰かぶりの街グレイシティ南番街マフィア組織 セルピエンテにて


黒ずくめ:「ボス、例の娼婦の娘に派遣した部隊が発見されたそうです、凄惨な遺体として」


ボス:「ほう。」


黒ずくめ:「現場は相当悲惨なものでして、何かが爆発した後みたいな光景でした、死体も食い荒らせれるみたいな跡も残ってまして」


ボス:「なるほど、ならしてやられてしまったわけだ」


黒ずくめ:「ボス、まさか小娘がこの事態を起こしたとお考えに...」


ボス:「ああそうさ、ただの小娘が僕の一部隊を壊滅させたとは思えんが、小娘が一部隊を壊滅させたというあらゆる辻褄が事実とよく絡み合う。

今回と同様にして娼婦の家にも爆発の痕があった。逃げた小娘、やられた部下たち、これらから推理しておそらく、彼女は魔法使いだ、それも凶悪にして爆発の魔女。」


黒ずくめ:「魔法使いですか、娼婦の小娘が」


ボス:「実際に見てないからわかんないけどね、ただあの娘をとしては思わない方が良いということが部隊を送ってわかったよ。小手先の戦力じゃ話にならないということだね」


黒ずくめ:「では内の全戦力を娘に向けますか?」


ボス:「おっとそれはナンセンス、僕たちはあくまで組織だ、娘にばかりかまってられるほど暇じゃないはずだろ。だから僕はこの娘に対して魔法使いとして多額の懸賞金をかけようと思う。」


黒ずくめ:「なるほど、我々だけじゃなくて他の殺し屋や賞金稼ぎバウンティハンターにも斡旋させると、それこそあの”双銃のウェアウルフ”も飛びつきそうですし。

しかしその方法じゃ他の組織に娘を取られる可能性が、魔法使いってだけで充分な兵器になりえますし。」


ボス:「ははは、確かに魔法使いを手懐けて戦力にしたがる組織もいるが、そうでもしないと上に立てない連中なんかに僕は負ける気がしない。

娘はしばらく泳がすが仮にも僕の部下を殺ったんだ、いつか粛清する、純粋なマフィアの力でね。」


   〈三大マフィア組織セルピエンテ頭領 ウィリアント・ナーガス〉



        ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


ルウジュ:「あぁあ、お腹空いたぁ」


今日もまた空腹な私、人だかりの路地を適当にふらついている。周りにわんさかいる人たちをいっそ殺して食べちゃおうかなと思ったがダメだよねそれは、殺すも食べるも私を襲う奴だけ。


ルウジュ:「あぁあどこかに餌おちてないかなぁ」


私がそう思っていると突如


ルウジュ:「!!?」


激しい銃声とともに私の眼前に銃弾が走ったのだ、ギリギリその弾道を躱したが、躱した先でその銃弾がとなりの男性の頭を貫いてしまったのだ。


通りすがりの女性:「きゃああああああああああああああ」

通りすがりの男性:「ひ、人が撃たれた!?」

通りすがりの男性:「皆逃げろぉおお」


一目散に逃げ惑う人たち、そんな人たちをよそに私の目の前にとある男が現れた。


???:「あちゃ~俺としたことが外してしまったよ」


ルウジュ:「あなたがこの人を殺したのね?」


???:「てへへ本当は君を狙って撃ったんだけど、人混みすぎて外したぁ。というかお嬢ちゃんその人知り合い?」


ルウジュ:「まさかね、こんなおじさんが私の知り合いなわけないじゃん、あなたこそ誰よ?」


???:「俺かい、俺はヤマネコ。お嬢ちゃんが噂の魔法使いだと聴いてね、ちょうど懸賞金も出てたし身なり格好も手配書の情報と一致するし、偶然いたしで撃ってみたの。間違えたらごめんね」


懸賞金って、私が魔法使いだから発生したってわけ?確かエマちゃんの話にも魔法使いに懸賞金がうんぬんかんぬん言ってたっけ。

まあでもいいや、私魔法使いとして生きるって決めたしこのくらいは当たり前だよね。それにコイツ倒せば空腹満たせるじゃん。


ルウジュ:「ええそうよ、けどるんなら場所を移してほしいの、人がいないとはいえここだと少し目立つ、だってあなたの死体が丸見えになるじゃない」


ヤマネコ:「イヤだよお嬢ちゃん俺はここでヤりたい、お嬢ちゃんが嫌がる姿を公共にさらしてあげるよ」


そう言うとヤマネコは銃口から凶弾を発射した、爆破による相殺で防げると思った私はすぐさま指をかまえようとするが、


「ぐあぁっ!?」


なんと私が魔法を撃つよりも前に凶弾が足を貫いたのだ、足を撃たれた私は跪いてしまう。


ルウジュ:「そんなっ」


ヤマネコ:「うへへ」










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る