例の子についての雑談タイムだぞ☆



「んー……そうだなぁ、まずは軽〜く雑談から初めよっか!」



「……あ、そうそう! 聞いて聞いて! 私の学校に面白い子が居るって話したでしょ?」


「あの子がこの前もやっぱり面白くてさぁー、聞いてくれるよね??……あはっ、まぁ今日はコメントオフだから画面の向こうでどれだけ嫌って言おうと話すんですけどー」


「私お昼は毎日学食って言ってたじゃん? その日も学食で済まそうと思ったんだけど、なんとお休みだったのすっかり忘れてて?!」


「あちゃー……そういえば一週間前くらいに先生言ってたなぁ、わたし様とした事がとんだ失態だぜ……って思ってたのね?」


「それでわたし様はとぼとぼと教室に帰ってった訳。当然そのまま机に突っ伏すよね、そりゃあ……だって悲しいもん、お腹もすいてたし」


「……そしたらね? 何だか視線を感じる訳よ。可哀想なわたし様を笑って見てるんならぶっ潰してやろうと思って意気込んで顔を上げると……」


「……そこには例の『面白い子』が居たの。居たって言ってもだーいぶ遠くから見てるだけだったんだけどね。よく私もその視線に気づいたよってくらいとぉーくからびっくりするくらい控えめに」


「いつも言ってるから分かると思うけど、その子は妙なこだわりで、学校では意地でも私に話しかけない様にしててさ? そんな子が私をガン見してる訳だから、当然違和感ある訳よ」


「わたし様的にはそのまま正面切って『何?』って話し掛けに行っても良かったんだけどさ、しょぉ〜がないからその子のこだわりを尊重してあげて、着いて来いって目線を送って教室を出た訳」


「……これにはさっすが気を使えるわたし様! って自分を褒めたよね。さすがに」


「まーそれで、わたし様はだーれも来ない穴場を知ってる訳だから、学校の一番端の階段の所まで行って、振り返ると……まぁ律儀にその子はちょっと離れた所に居る訳よ」


「何だかちょっと可愛いなーって思いつつ、私はその階段裏にある非常口から外に出て、その裏庭的な所でその子が来るのを待ってたの」


「そしたらその子、どうしたと思う?……扉から顔だけ出して覗いてきたの。えっ、何で?! 誰か居るか警戒してたのか、恥ずかしがってたのか分からないけど……正直めちゃくちゃ可愛かったなぁ」


「んで。……そんな可愛いその子は何であの時私の方をガン見してたのか、やっと明らかになったのね」


「あの子が非常口からこっちに来た時、やっとずーっと何かを持ってた事に気づいたんだけど……それ、お弁当箱だったの」


「もしかして……って察せたけど、私は聞いたのね。そしたらその子……ふふっ、待って、思い出したらニヤけて来ちゃった……」


「……ゴホン。えー、その子はなんとね、『沢山作りすぎちゃったから……た、食べてくれない……?』って!……いや、乙女か!!」


「え? そんな貧弱そうな声じゃないって?……残念、私にはほんとにこんな声に聞こえたんですぅ〜」


「あはは、コメントオフでも案外話せるもんだねぇ……あっ、ちなみにあの時のお弁当、めちゃくちゃ美味しかったよ。どれくらい美味しいかって言うとー……お母さんの次くらいかな!」


「一番じゃないんかい! って言われそうだから先に言っておくけど、逆に私の今まで食べて来たおいしいもの達をあの一回お弁当食べたので抜けたのを誇りに思うべきなんだからね?」


「えへへ、わたし様はオタク君達に貰った愛のマネチャでいつもおいしいものたーくさん食べさせて貰ってまーす! 感謝感謝♡」


「だけど……欲張りなわたし様はのお弁当もまた食べたいなぁ〜? 何なら毎日作ってくれても……なーんてね」



「ふふふ……どうだった? 私には画面の向こうで悶絶する君が見えるよぉ〜。……ま、こんな話配信で出来るのも今回だけだろうし、新鮮で楽しかった!!」


「……ねぇ、ちゃんと楽しんでくれてる?……一瞬でもよそ見したら、このわたし様が許さないんだからね!!」

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