「魔法陣」と「魔方陣」の違いとは? 意味の違いと例文で徹底解説
ポンデ林 順三郎
「魔法陣」と「魔方陣」の違いとは? 意味と使い分け
この記事では「魔法陣」と「魔方陣」の意味の違い、使い分けを解説します。
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■「魔法陣」とは?
「魔法陣」は「まほうじん」と読みます。
「法」という漢字には「規則」や「技法」などの意味があります。
「魔法陣」は「一般的な物理法則とは異なる(=魔)規則」や「不思議(=魔)な現象を起こす技法」を魔法とし、それに関わる配置(=陣)を意味します。
「魔法陣」とは、主に日本のファンタジー作品において、魔術の行使に関連して使用される図形です。
といっても、作品によって「魔術の行使に際して手書きで魔法陣を用意しなければならない」場合や「特に内容を理解・暗記などしなくとも、魔法を行使すると演出として空中に魔法陣が自動表示される」場合など、その扱いは大きく異なります。
魔術の行使に用いる場合でも、単純に書き写せばコピーできる場合や、特殊なインクでないと効果がでない場合、記述内容を正確に理解しないと発動しない場合など、それぞれの作品世界によって様々なローカルルールがあります。
元となったモチーフは、西洋魔術で結界として用いられた「魔法円」ですが、これは悪魔召喚の際にも使用されることがありました。
召喚操作自体には必要ありませんが、召喚した悪魔を閉じ込め、交渉前に術者が殺されないよう身を守るために、召喚位置に設置するのです。
これを悪魔召喚のための記述式魔術として扱った作品があり、影響を受けた後の世代のファンタジー作家によって、和製ファンタジー界隈の共通的なギミックとして広まったとされています。
■「魔方陣」とは?
「魔方陣」も「まほうじん」と読みます。
「方」という漢字には「四角形」という意味があり、「正方形」や「前方後円墳」といった言葉にも使われます。
「魔方陣」は方形をした不思議(=魔)な配置(=陣)を意味します。
等間隔で区切られた正方形の方陣に、1~マス目の数までの数値を1つずつ配置し、その縦・横・斜め(+その他)の数字の合計が同じ値になった物を「魔方陣」と呼びます。
下図は縦横3マスの「3方陣」です。
┏━┳━┳━┓
┃8┃1┃6┃
┣━╋━╋━┫
┃3┃5┃7┃
┣━╋━╋━┫
┃4┃9┃2┃
┗━┻━┻━┛
横)
8+1+6=15
3+5+7=15
4+9+2=15
縦)
8+3+4=15
1+5+9=15
6+7+2=15
斜め)
8+5+2=15
4+5+6=15
3×3の「3方陣」程度なら比較的簡単に作れますが、4つの正方形に分割した中身も同値となる「4方陣」、1~25までの数字を並べた「5方陣」、1~196の数字を並べた「14方陣」などの複雑な陣も作られています。
■「魔法陣」を「魔方陣」と変換してしまう理由
過去、多くのパソコンに初期インストールされていた伝統的な変換辞書では、「魔方陣」という言葉は登録されていても「魔法陣」は登録されていませんでした。
そのためネット小説界隈でも、一発変換で「魔法陣」を「魔方陣」と書いてしまう誤変換が流行しました。
「魔法陣」と「魔方陣」は異なる意味を持つため、「魔法陣」のつもりで「魔方陣」と入力していれば、これは誤字です。
しかし前述の通り、「魔法陣」は和製ファンタジーで生まれた言葉であり、元となった図形が「魔法円」であっても、その作品内の陣は必ずしも円形をしているとは限りません。
実際に、立体魔法陣と呼ばれる円筒形や球形の陣、複数の陣を串団子や鶯ボールのように連結した物、ハート型をモチーフにした物、耳や角のような線の生えた物、中には胴体のある魔法陣が登場する作品もあるので、魔法陣が四角い、つまり方形の世界だってあるでしょう。
そもそも現実の「魔方陣」自体、調合や呪術、占星術等にも用いられたとされています。
ファンタジー世界の魔法に「魔方陣」が使われても、何らの違和感はないのです。
とはいえ、作中で「魔方陣」と呼ばれている物が四角形ではなく、円形をベースにしている場合は、やはり恐らく「魔法陣」の誤変換だと思われます。
誤字だ、誤字ではないと安易に判断せず、作品理解を深めた上で誤字報告は行いましょう。
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