邂逅 その壱
それは、夏の暑さも終わり
主神様のご加護の風が冷たくなりつつある
そんな日のことだった。
私とバードロット《執事の事》
が代理守護戦争、兵力や資金が
乏しい国を守護する戦争をしていた。
冬前の国ならば兵力が越冬の為
働けなくなるのも当たり前、魔法の
発展は大賢者がいて目覚ましいが
それでも冬を越すのは準備が必要なのだ。
対国との戦争だけならまだよかったのだが、
魔物の大きな襲撃も重なってしまった。
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
帰りの途中、馬の休憩と主神様
へのお祈りを兼ねて馬車を止めさせた。
祈りが終わり、給水をした時不意に
目に入った紅...夕焼けのそれでなく、
それは....災だった。赤き竜がいた
戦の血の匂いに釣られたか、はたまた
何か探していたのか
こちらその紅はこちらを睨みつけた
不幸にも齢10を超える我が子達に戦を見せるために連れてきてしまった。
残りの魔力、体力は少なく私と
バードロットだけならまだしも、
従者と我が子を連れていては逃れる事も
できない。
馬車は遠征用で布と木でできたもの
周りは草木が生い茂っている
山嶺に住まうという竜
白きは霜を..赤きは赤熱を
その厄災相手に馬車は当てにならない。
迎え撃つにはあまりにも大きい。
しかし私バードロット共に諦めはしない。
バードロットの魔力が揺らぎ
私のそれも大きく呼応する
大気と草木が揺れ、剣に収束した魔力が
張り詰め、荒ぶろうとしたその刹那
ズヌ"ヌ"ヌ"ヌ"
巨竜の叫びと共に押し潰されるように平伏す
私でもバードロットでもない異様な魔力を感じた。竜は押し潰されながらも
ブレスを出そうとする
咄嗟に構えるも、またもやあの異様な魔力で
首が差し出され、好機と思ったその時
ゾゾゾゾ
その異様な魔力は高まる
恐怖 不快感が入り混じる私たちの
首はまだ繋がっているのに、死すら感じる
冷や汗もだ
ゴギン
あの竜のナニかが折れ、二回頭が回り
頭部が歪んだ
そして押し潰されながら、言われも得ない
音を出し
紅い玉となった
パシャリ
紅が広まった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます