第14話おいでませ新拠点
滝が眺められる崖えを掘削しながら鉄鋼材を使って補強を行ってく。その内側に拠点にあった集会所と同じ作りの建物をューダー様式で建築していく。一階、二階、三三階と順に建築しているが普通ではありえない方法だよな。内装は暖かみのある木材のフローリングを使用し家具やドアなども木材をふんだんに使用していく。部屋ができると個人の使用していたベットや衣類、雑貨類を配置していく。彼女達の部屋の内容は記録しているので恐らく……問題は無いだろう。
電力施設はもちろん核融合炉をしようしせっかく綺麗な滝があるので取水施設も用意する。もちろんキッチンはオール電化だ。各部屋に個人用の広めの風呂は用意しているが彼女達の仲が良い事は知っているので大浴場も建設しておいた。きっと喜んでくれるだろう。
最上階には気分転換に滝や景色が一望できる木製のテラスを作る。昼間などテーブルにお菓子を並べて紅茶でも楽しんで欲しい。大広間には簡易SHOPとしてポイントで購入できる自動販売所も設置する。俺がいちいち下着を手渡したりするのも気を遣うだろうとの配慮だ。もちろん女性用品や風呂用品、ベーシックな衣類やジャージなんてものもある。化粧品や袋菓子なんてものあるぞ? 実はこの自動販売所が一番場所を取ったのだが必要だろう。
モバイルターミナルでカタログを確認できるのでゆっくり選んで欲しい。ここに無い商品の追加も注文してくれれば俺が入れて置く事になる。
大広間に併設している大型のシステムキッチンは大人数での調理にも対応している。広間の奥には訓練施設――A.A.Sのコクピットを使用して訓練できるようにするつもりだ。空間の確保だけしてはいるが後日設置予定だ。
あとは、崖上に見えない場所にステルス装置を設置する。何度か遠目に戦闘機や軍事ヘリが行き交っているのを確認している。米国の空母を破壊したのを相当根に持っているな。下手をすると大体の位置を推測してミサイルをぶっぱなす……ような事をしてきそうな予感がする。
とにかく位置を把握される事だけは気を付けなければいけない。地対空迎撃システムの構築は早めに行おう。
監視衛星による観測は誤魔化せるが逃走……拠点の移動を予測されている可能性が高いので油断はしない。やはり捜索の手が伸びているという事は撃墜したと見せかけてもあまり意味が無かったようだな。
「おーい。できたぞー。部屋に荷物を置いたから部屋の移動をしたいときは行ってくれ。なるべくみんなと相談してからな。あと、自動販売所と大浴場を設置したから確認しておいてくれ」
は~い。と元気よく建物に入っていく。ふぅ。ちょっと精神的に疲れたな。気分転換に……家の前にレンガを敷くか。建築にハマってしまったかもしれない。身体は疲れていないからこういうチマチマした造園作業をしていると心が穏やかになる。基本的にクリエーター気質なのかもしれない。
滝の前までレンガ道を作って水遊びも楽しめるようにする。川に流されないように頑強な柵を植え付けておこう。岩肌で足を怪我しないように滝壺の浅い部分を加工して……。滝壺の深い部分も土砂で少し埋め固めておこう。
「ジ~ンベェちゃんっ! 何してんのっ?」
むにゅり。背中に高弾力の暖かいお乳様がやわらかい匂いと共に俺の心を揺さぶる。抱き着かれながら軽く振り返ると金髪褐色肌のパリピギャル、高山ひとみが肩に顎を乗せていた。――女性特有の甘い良い匂いさせやがってからに……。
ああ……。昔、同級生のクラスのギャルのピンクのパンチラを頑張って眺めていた学生の頃の記憶が蘇る……。こういうパリピギャルさんは椅子に座りながら良く足を組み直しているんですよ……パンチラ見せて童貞臭い俺の反応を見て遊んでいたのかもしれません……。
「何もない場所だから息抜きに滝周辺で遊べる場所を作ろうと思ってな。川に流されたり足を怪我すると危ないだろう?」
「ふ~ん。ジンベエちゃんって私らのこと超~大切にしてくれるよね。守ってくれるし構ってくれるし……そういうとこ好きだぞ~?」
首周りを両腕で抱きしめられるとスリスリと頬を擦りつけて来る。頬にキスをされながら強く抱き締められていると心臓の鼓動まで伝わって来る。
「私ね……今どきどきしてるんだ。超~お姫様待遇で守ってくれる……う~ん、ちょっと年齢は行っているけれどずっとそばでイッショー私を守ってくれても……いいんだぞ?」
クンクンと俺の後頭部の匂いを嗅ぎながらそう告白して来る。心臓の鼓動が加速しているな。ふざけている割に真剣なのだろう。顔をくっつけているひとみちゃんの頬を左手で優しく撫でてあげる。
「それは光栄だな。そうだな……たとえ俺が死にかけても全力で守ろう。そのかわりちゃんとおりこうさんにしていっぱい遊んでいっぱい学んでくれ。こうしてくっつくのも俺は好きだからこれからもお願いするよ」
そう返事を帰すとしばらく沈黙が続くが……頬を掴まれて唇を合わせて舌を捻じ込んできた。それに答えるように優しく頭を撫でてあげる。口の中で舌を絡ませお互いを存在を深く感じる。
「ん~っぷはっ。……ちゃぁ~んと私をずっとずっと守って、いっぱいかまってね? ジンベエちゃんっ! 大好きだよぉ~?」
そう言うと俺から離れて建物の方へ歩いて行く。途中で歩を止めると振り返り何かを言って来た。
「あ。私がみんなよりも一番先にかぁいい子供産んであげるから早く襲いに来・て・ね? これは本当だよっ?」
…………。ふぅ……。春先の冷たい滝壺の中は最高だぜ。思わず服を着たまま飛び込んでしまった。大きい褐色おっぱいにむちむちの太ももがミニスカートから伸びている姿は破壊力高かったな……。今のような隠れ潜む環境ではなく安全な拠点が出来れば……。
ちょっとやる気が出たな。自衛隊の裏切りに心が荒んでいたのだがこういう触れあいは本当に癒されるな。
建築した拠点内に入るとわいわいと部屋の荷物を入れ替えて居たり同室にベットを運び入れたりしている子がいた。しかもH.P.M.Sを着用して……。あまり気にしていないのだろうが意外と食い込みの鋭い股関節部におしりの割れ目がくっきりと見えている。――ありがとうございます。
部屋の入れ替えの手伝いを申し入れようと思考するもその作業自体も楽しんでやっているのでそっとして置いた。ポイントを稼ぐための何かしら仕事を用意するといった自活できるようなシステムも考えた方が良いかもしれない。与えられるままではやりがいも無くなってしまうし。自己肯定感が満たされないだろう。
簡単にできる内容は、衣服や小物類、インテリアなどのデザイン考案。ロボットやスーツのデザインに兵器関連のアイデア提案。他にもあると便利な物や将来やりたいこと得意分野の報告を行ってもらおう。モバイルターミナルにデザインソフトにデータ整理用のソフト。それとポイント取得方法の案内を送る。
最奥部のドック兼研究所に入るとA.A.Sのベーシックフレームの調整に入る。米国海軍との戦闘は厳しかったからな……。ミサイル連打されるといくら強固な装甲だとしても危うい。ようやく飛行推進システムを完成させたのにもかかわらず大規模な戦闘になると欠点が浮き彫りになった。機動性も全く足りていないし飽和攻撃に弱い。絶対的優位性を保つにはレーダーに入らない超長距離からの狙撃攻撃か、回避能力を高め接近しつつ制圧する。――もしくは数、か。撃墜される可能性が現状高すぎる。安全性が確保されない限り彼女達の出番は主に事務作業か内職だな。
そもそも人類の軍とは戦う必要はないのだがゾンビの殲滅行動を取っていればいずれ戦う羽目になるだろう。本当にふざけているな。
作業しながら攻撃した自衛隊の部隊の情報を収取しているのだが、あの山岸指揮官のいた部隊は……半壊だな。山岸、山田、山口は軽傷といったところか。葉隠はM.A.Sを破壊され盛大に転倒していたからな。――ああ、腕をやられているな。手首を挟まれたか焼けたのか知らないが欠損している。死ななかっただけマシ……とは言えないがいい気分はしない。自分でやっておきながら何言ってるんだか。
忘れないようにパイロットがいないうちにM.A.Sの自爆プログラムを起動させておくエンジン部やOSの情報を欠片でも渡してたまるか。多少は駆動部の情報は取られてしまうがそれは現行の技術の発展形だ。そこまで惜しくはない。
防衛拠点とした自衛隊駐屯地の防壁は破壊していない為にゾンビの侵入は確認できない。生きていても死んでいても複雑な感情になる。破壊もしくは鹵獲の命令を出されて待ち構えられていたんだ。命令だとしても大人しくやられるわけには行かないからな。M.A.S取引の時にいた数人の女性隊員が見掛けない、な。死んだか……。
――ああ、絶対殺す。クソみてぇな命令を下した連中全てだ。
俺に責任が無いとは言い切れない。だが報復はさせてもらうぞ。
◇
心が荒みかけていたのでA.A.Sのパラメータ調整が終わり俺専用のヒノキ風呂に入る。屋上の隅にこっそりと作っておいたのだ。窓の無い開放的な作りとなっており滝の音を聞きながらゆっくりと酒を楽しもうかと企んでいる。
お湯を溜めていたヒノキ風呂から桶でお湯を掬うと頭から被る。あぁー気持ちい!
くすねてきた高級純米大吟醸をヒノキ風呂に備え付けて置いた棚にコトリと置く。お酒を楽しむのを取っておきながら身体を洗う。ん? 誰か入って来たな? いつもの四人姉妹か?
頭をわしわしとシャンプーで洗っていると腕を掴まれ洗うのを止められた。
「そないな金属の手で洗ってたらジンベエはん頭ハゲるで? ウチが出血だいさ~びすで洗ったるからじっとしといてな? それとなんでここにおるんっ!? みたいなベタなツッコミはせんといてな?」
何でここにおるん!? 胸の内で叫ぶだけならオッケーだろう。竜胆あげは。独特ななまりが特徴的なんだが見た目は意外なお淑やかな和風美少女。前髪パッツンで腰元まで伸びている艶やかな黒髪が印象的だ。見た目とのギャップが激しくニシシと嗤うと八重歯が見えてとても可愛い。透き通るような純白肌は女子生徒の中では憧れなんだそうな。
頭を洗われていると生まれて初めて緊張しながら美容室に行った時のことを思い出す。「シャンプーしますねぇ~」とゆるふわ美女な美容師さんに頭をコシコシと現れた時はドキドキしたものだ。緊張しすぎて「はいそうですね」しか言わないBOTと化してしまったのだが。強制的に会話をしないとイベントが進まないRPGのような苦行を味わった。
ぺたり。濡れた肌同士がくっつくとお互いに吸い付き合う性質があるのだが、二つの突起物の感触がダイレクトに伝わってきている。上へ、下へ、擦り付けられる。俺の耳元に顔を近付けて来ると。
「(当たっとるのわかってんやろ? 何か想像してたん? えっちぃなぁ~。これはな偶然やないで。あ・て・て・ん・の・や)」
囁き声が耳を擽る。ちょっと元気になったら不味い所がマジカルな状態になっている。ああ、機巧の神様に俺の俺をマジカルチ〇ポに進化して貰えなかったのを思い出す。
「頭にお湯掛けるで~。――ほなら次は身体やな」
ボディーソープを手で軽く泡立て自身の身体に擦り付けていることが安易に分かった。きっと、たぶん、そう、あれをやるつもりだ。案の定キメの細かい体で俺の背中を洗っていく。後ろから抱えるような形で胸元や首筋を洗ってくれている。
「かゆいとこあらへんか~? ん~? んんん~? 何元気になっとん? そっかそっかぁ~ウチって魅力的やもんな~しゃあないで~」
何とは言わないがナニを鷲づかみにされる。アウトッ! アウトですよ!?
「おっとここまでにしとこ。情緒も無いうちに押し倒されてしもたら、もったいないやんけ。こういうんは雰囲気が大事なんやでぇ?」
身体に桶から掬ったお湯をゆっくりとかけると泡が排水溝にぐるぐると流れていく。ある意味我慢大会が終わったのか……? と油断していると……。
「ほな次はウチの番や。ジンベエはん。洗ってくれる?」
ああ……もちろんだとも……。
ヒノキ風呂のゆったりと浸かりながら開放的な景色を楽しむ。派遣社員の頃には味わえなかった最高のパノラマ。滝壺に落ちる水の音が心を癒してくれる。そして冷やした純米大吟醸を片手に……片手に――反対側の手はあげはちゃんのお腹の方に手を回している。
俺の腕の中に包まれるようにお風呂を楽しむあげはちゃん。お腹に当てた手を大事そうに手を重ね。俺の身体に全てを委ねるように体重を掛けてきている。
「これ、ウチも飲みたい。――んく……う、んぅ。温まった身体に染みるわぁ……。男に抱かれるっちゅうんはなんか……こう、幸せなんやなぁ……」
抱かれると言っても抱き締めているだけなのだが。似たような物か……。
「これでもジンベエはんに感謝しとるんやで? あないな地獄からウチを救ってくれて……楽しませてくれて……守ってくれて。こう……ウチはおちゃらけてて軽い感じやけどこないな事するんはジンベエはんだけやで?」
酒の入ったコップを棚に置くと両腕を掴まれあげはちゃんの胸元に当てられる。
「ほら、ドキドキしとるやろ? このまま……んっ。……ちゃんと返事もろとらんから……先っぽまでやな――」
なんという生殺し……。ああ、景色が綺麗だなぁ……。
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