第14話 成分

私の99%は優しさでできています

だから黙っている時、それは優しさです

それは愛情です


私は良いようになんでも解釈していたようです

あなたの幻想は私を現実に引き戻します

むしろ更に残酷な真実を突きつけます


独りで過去に戻れば戻るほど幸せだったはずなのに、ふたりなって現在に近づけば近づくほど不幸せになったのはどうしてだろう


この二年間を私は全力で駆け抜けた


どれほどの賞賛や名声や

たくさんの人の感動と救いの裏に

誰にも知られない一人の苦悩と悲惨で、

けれど健気な真実があったこと


大きすぎる荷物を抱え

誰にも助けを呼べずに一人歩んでいたこと


報われないよ、どの時系列にも

だけど絶望をいつも励ましに変えて…


どこにも見当たらない

どこにもいない私を

誰も信じない秘密を、

ましてや幸せだと思っていたものは

偽りの桃色だった

虚構になってしまった

私には帰る場所がない

帰る場所を無くしてしまったんだ

足がつかなくなっても

たましいの居場所くらい残しておいてよ

そこは私の死んだ場所だよ

誰も来ないで


私はどんなに歌っても慰めてはもらえない

私の思いは誰にも知られることなく 

成仏させなければいけないんだ

それがどんなに辛いことか分かっていないでしょう?


全力で駆け抜けたから

今はまだHPが足りないんだ

ごめんね

だから今日は自分に優しくしたよ

1%以上も



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る