ショート怪談、鉄道、Aさんの話

野口マッハ剛(ごう)

けっこう怖い怪談です

 とある大阪の鉄道、どことは言えませんけど、Aさんの話です。Aさんは今日も仕事で残業があって終電に乗ろうと駅で待っています。夏の暑いムシムシとした夜です。


 向かいの駅のホームも人でいっぱいです。Aさんは早く電車が来ないかと待っています。


 向かいの駅のホームに、通過する電車が差し掛かります。


 その時です。


 向かいの駅のホームで飛び降りた男性が。


 駅は騒然となります。キャーと言う女性の悲鳴。緊急停止する電車。Aさんは頭の中がパニックになりました。


 終電は遅延になりました。駅の待ち合い室でAさんは座っています。


 とんでもないことになった。


 なぜなら、Aさんは、飛び降りた男性と目が合った状態で、自殺を目撃したからです。


 その男性の目は笑っておらず、真っ直ぐにこちらを見つめて飛び降りたのです。


 やっと駅に遅延の終電が来ます。Aさんは頭がボーンとなっています。


 変なものを見た。


 それから自宅に到着したAさんはバタッと布団に倒れ込みました。


 仕事があるから寝ないと。Aさんは次第に眠りにつきました。


 朝になって駅のホームで飛び降り男性のことを考えるAさん。


 どうして、真っ直ぐにこちらを見つめて飛び降り自殺したのだろうか?


 Aさんは向かいの駅のホームを見ました。


 そして、電車に乗りました。


 Aさんが自殺をしたのは、一週間後のことでした。


終わり

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