対決!七大罪編第一部
第13話色彩の間視点 手柄と主
《色彩の間》
「よう、帰ったぞ〜!」
「遅かったわね、クロ」
「君が最後だよ」
「悪い悪い」
ここは色彩の間。
世界中の色が交差し混じり合う場所。
そこに今、赤、青、白、黒が集まっていた。
「で、成果は?」
「私は大本命、勇者パーティの賢者、ヒーラー、大精霊使い、勇者の4人を捕まえたわ」
「マジかよ?! お前の出世は決まったようなもんだなこりゃ」
「ふふ、主の側近には私がなるみたいね」
「まだ分かりませんよ? 僕もそこそこいいのを捕まえてきたんです」
「ふーん? 言ってみなさい」
「僕はなんと勇者召喚に付いてきた従者、そのほぼ全てを捕まえたよ」
「……これは俺が1番ダメだな」
「クロはどれを連れて来たんだ?」
「リュウ、てめぇから言えよ」
「うちは中位の時精霊使いと、全魔法の適正が中あるやつの2人だ!」
「ま、ロウガがヘマしてダンジョンのどこかに転移して連絡つかなくなったんだけどね」
「ふむ、時精霊の中位となればアレに使えそうだね」
「とりあえず魔法系はアイツに引き渡しちゃいましょ」
「そうだな、ちなみに俺は闇適正(低)のやつと雷適正(中)だけだ」
「全然ダメダメね」
「うるせえよ! もう解散だ!」
「はいはい」
赤色が消える。
そして次々に他の色も消え残ったのは黒色のみ……
「はぁ、ったくアイツら……ックハ! 面白くなりそうだな?」
《竜胆視点》
……ここは?
眩しい光を感じたと思った瞬間、私は目を覚ました。
「大丈夫?!」
藤咲が顔を覗き込んでくる。
「ほ、他は?」
私は精一杯の力で声を振り絞る。
「……東堂さん以外はいなかった。」
「嘘でしょ……」
話を聞くと、東堂と私以外はどこにも居なく、とりあえず瀕死の私達を回復させ話を聞こうとして今に至るようだ。
「ダンジョン組は?!」
藤咲が首を横に振る。
「誰も帰ってこないの……」
「皇は?! 勇者でしょ?!」
「皇君も……」
そこに王様が現れる。
「話は聞いた。此度の襲撃は我らの落ち度だ、すまなかった!」
王様が頭を下げる。
「謝らないでいいですよ! 仕方ありませんから……」
「いや!いくら勇者とそのお仲間といえどもう少し護衛をつけるべきじゃった」
「しかしいつまでも落ち込まれていても困る!
直ぐにパーティを再編成し魔術大国エムジークまで行き、そこの魔法学園に入ってもらう」
「まだ仲間が消えたばかりなんですよ!」
「いいから行くのじゃ、パーティのリーダーは聖女殿に頼む。
それでは我はもう行く。詳しいことはそこの宰相に聞いてくれ」
「そんな……」
「自己紹介をしておきますぞ、聖女様。
私はこの国の宰相ポロボーロと申します。」
「え、ど、どうも……」
「パーティの方ですが既にこちらで組ませていただきました」
「え?いやだから……」
「まず前衛に剣豪の東堂様、それと王家が誇る近衛騎士団団員で既に聖騎士になっているフローラ。
中衛に龍王の加護を持つ竜胆様に入ってもらい、後衛は我が娘にして宮廷魔法師団の副団長を務めるアグラと聖女様に入ってもらいます」
「だから話を聞いてください!
私達は行かないんです!」
「そう言われましても……これは王の決定ですので、出発は東堂様と竜胆様が治り次第すぐとの事でしたので。失礼します」
「厄介なことに……なったわね」
「竜胆さん! 無理しないでください、私が何とかしますから……」
「……大丈夫よ、むしろこんな国逃げ出すチャンスじゃない」
「……」
「とりあえず私はもう一眠りするわ。おやすみ」
藤咲は何か葛藤していたが私は眠気が限界まで来てたので寝ることにした。
「……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます