妖 春夏秋冬
真留女
妖 春夏秋冬
物置に目のみ光りて孕み猫
夕闇に官女さざめく雛売場
息果てし犬にかぎろひたちのぼり
老桜に耳押し当てて鼓動聞く
日の暮れて池に数珠子の蠢ける
河童忌や沼の波紋の迫りくる
壁を這う影一つ増え走馬灯
火蛾燃えて百物語闇に落つ
結界や枝に虚ろの縄の蛇
流灯に人魂添いて闇に消ゆ
胡桃割る雨を理由に来ぬ男
塀沿いに影立ち上がる秋夕陽
月白や闇より湖の生まれ出ず
竜田姫終の一葉をくれなひに
花野行く妻といふ名を今日捨てて
つま先の薄桃に見ゆ雪女
あざやかに食われし平目の骨頭
鱈場蟹梁を見つめて宴待つ
聞き慣れぬ訛り恐ろし雪女郎
狐火や捨てた女が微笑んだ
妖 春夏秋冬 真留女 @matome_05
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます