【災禍の空間魔法使い】痴漢冤罪で全てを失った男が、異世界で戦場の英雄となるお話。

refl

第0章 かくして彼は、転生した。

第1話 冤罪

・・・はぁ・・マジでこの時間が一番嫌だわ・・・



もはや日常となった、されど一向に慣れる気配はない満員電車。朝一番の憂鬱に辟易しながら、一定のリズムで揺られること既に十数分。そしてあと20分はこのままだと思うとつい溜息が出てしまう。



・・・仕方ない。昨日読んでた小説の続きでも読んどくか・・・



こういう時にはネット小説ってめちゃ便利だよな。なんて思いながら、スマホを開き「カケヨメ!」という最近愛用している小説投稿サイトを開こうとした、まさにその時。

いきなり左手を掴まれたかと思うと、反応らしい反応も出来ないままに耳を通り抜けたその言葉。



「・・・この人痴漢です!!」



この言葉から、俺の転落人生は始まった。




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「・・・・へ?」



それはもう混乱した。だってそうだろう、そもそも全く心当たりなんてないのだから。



「ちょ、ちょっと待って!人違いですよ!人違い!」



そう慌てて周囲に弁明するも時既に遅し。周りから向けられる視線には侮蔑の色が濃く、何人かの男は俺を逃さないようにする為か壁のように俺を囲んでいる。



そして先ほど声を上げた、目の前に乗っていた女子高生(制服を着ていることからの予想)に至っては泣き出しており、近くに乗っていたであろう別の女子高生が慰めている。



・・・あ、これ終わったわ。



俺がそう理解するのにさほど時間はかからなかった。



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その後のことはあまりよく覚えていない。とにかく混乱していたからだろう。ただ一つ確かなのは、それから一週間と経たずに会社をクビになり、家族も出て行った。その事実だけだ。




-----そして数カ月後、俺は無気力で死んだような生活を送っていた。家族は出て行ったっきり連絡はつかず、ご近所さんからの視線も冷たい。新しい職を探す気力もないので貯金を切り崩しながらカップ麺をすする日々。



「・・・あ、もうカップ麺ないのか・・・」



そのカップ麺ももうない。



「仕方ない。買い出しに行くか・・・・」



重い身体を引きずり、玄関に向かい久しぶりに外に出る。まだ昼前なせいで日差しが眩しい。



なんで晴れているんだよ・・・クソが。



いささか理不尽なことを思いつつ歩いていると、赤信号に引っかかる。そして何気なしに横断歩道の向こう側を見てみると・・・・



「キャハハ、マジウケるーー!」


「それなー!ミキ最高すぎ笑」



あの日、俺に冤罪を突きつけてきた女子高生が、そこにいた。






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どうもこんにちは、reflです。先ずは、この作品を読んで下さり、ありがとうございますm(_ _)m

一応、この作品は私の処女作となっています。

なんとなくで始めた執筆活動(?)なので、シリーズが続くかは謎です。





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