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返ってきたのは、冷ややかな眼差しだった。
「ふん、馬鹿馬鹿しい」
彼は思わず自分の胸に手を押しあてた。そうしないと、ガラスが砕け散るようにずっと想っていた気持ちが壊れそうだったから。
「俺は、お前なんかどうでもいい」
いとも簡単に、残酷な言葉を口にする。
「弱い奴に興味はない」
ひどく傲慢な嘲りだけを吐き捨てると、振り向きもしないで立ち去っていく。
彼はその華麗な後ろ姿を震えながら見つめた。唇を噛みしめるぐらいに、涙が溢れ出るのを必死で堪えながら――
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