第186話

 レコール島を見守るスレ45


 123:名無しの冒険者

 お兄様強すぎますわーーーーーー!


 124:名無しの冒険者

 やっぱお兄ちゃんだわ!


 125:名無しの冒険者

 いや、強すぎて引いているレベルなんですけど……


 126:名無しの冒険者

 なんか映像でみてるとこいつら雑魚にしか見えなくなってきちまうな


 127:名無しの冒険者

 マジで勘違いするわw


 128:名無しの冒険者

 あれ? お兄ちゃん消えた???


 129:名無しの冒険者

 どうしたんだ?


 130:名無しの冒険者

 おい、レイナのチャンネルでいきなり生放送始まったぞ!?


 131:名無しの冒険者

 ここってお兄ちゃんの自宅か?


 132:名無しの冒険者

 は? なんでお兄様の家にいるの???


 133:名無しの冒険者

 レイナちゃんとかの前にいる奴って、確かジェンスか?


 134:名無しの冒険者

 は? 洗脳魔法使おうとしているのかこいつ?


 135:名無しの冒険者

 レイナちゃん、だから即座に配信開始したのか??


 136:名無しの冒険者

 おいおい、こっち大丈夫なのかよ!?


 137:名無しの冒険者

 いや、マジで状況が分からないんだけど、なんでこいつここにいるんだよ?




 迅の家では、流花、凛音、玲奈の三人でモニターの前に座っていた。

 玲奈はちらとキッチンの方で飲み物の準備をしている麻耶を見た。


 今日ここに全員で集まったのは、レコール島の戦いを見るためだ。

 本当は美也も呼んでいたが、彼女は仕事があったためここには来れていない。


 今回の提案をしたのは玲奈だった。麻耶が僅かながらに不安を感じていることを察知していた三人は、彼女を励ますつもりでここに集まっていた。


 今回のレコール島の戦いについて、心配するなというほうが難しいだろう。

 歴史上最高難易度と言われている迷宮だ。

 ニュース番組などでは、たびたび攻略不可能と言われているようなものなのだから。


「あっ、そろそろ始まりそうですね」

「……うん、そうだね」


 流花、凛音がそういうと麻耶も飲み物とともに玲奈の近くに腰かけた。

 ソファに座ってから、じっとモニターを眺める麻耶。

 その表情は笑顔こそあれど、不安を隠しているようにも見えた。

 どれだけ迅が強いといっても家族だ。

 それは、玲奈も同じ気持ちだった。

 玲奈も、すでに家族気分なのであり、危険性のある戦いに参加しているとなれば、心配しないわけがなかった。


 テレビでは迅がブレードマンティスたちが待ち構える結界内へと一人入っていく。


『な、なんということでしょうか!? 鈴田冒険者が一人結界へと入っていきます!? どういった作戦なのでしょうか!?』


 報道陣も驚きの様子でブレードマンティスたちが待ち構える場所をズームで映し出す。


『このブレードマンティスたちは、すでにSランク冒険者でも苦戦するほどの魔物です! 一体何を考えているのでしょうか!?』


 玲奈も、その意見には同意だった。何度か黒竜の迷宮で高ランクの魔物と戦った経験がある玲奈としては、ここにいるブレードマンティスたちがそれに並ぶほどの力を持っているのは分かっていた。

 だからこそ、ブレードマンティスたちだけであれば迅は対応可能だとも理解はしていた。

 ただ、問題はイレギュラーの存在。


「……お、お兄さん大丈夫でしょうか?」

「……迅さん、どうするつもりなの?」


 凛音と流花の不安そうな声に、玲奈は状況を冷静に分析する。


「たぶんだけど、ブラックブレードマンティスをおびき出そうとしているんだと思うよ」

「つまり、ブレードマンティスたちを一掃しておびき出す、ということですか?」

「そゆこと」

「お兄ちゃん……っ。怪我だけはしないでね……」


 麻耶は両手を合わせ、祈るように呟いていた。

 通話でも繋いであげておけば良かったかも、と玲奈は思いながら改めて画面を見る。

 そして――戦いが始まった。


『ブレードマンティスが……一撃で仕留められました!? つ、次から襲い掛かる奴らを、鈴田冒険者は意にも介さず仕留めていきます!?』


 報道陣から歓声があがる。

 もはやカメラでは追えないほどの速度で薙ぎ払っていく。


―――――――――――

ここまで読んでくださり、ありがとうございます!



新作始めました。よければ読んでください。

神様特典(チート)で最強支援者ライフ ~異世界に追放された青年は、超安定の冒険者生活を送りたい~

https://kakuyomu.jp/works/16817330668012787349

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る