第2話 一回戦:魔法ロボ対仙術ロボ!
「よっしゃ、宜しくお願いします!」
「よ、宜しくお願いします~っ!」
試合会場にて、試合前にメンバー同士が向き合い礼をする。
両チーム、互いに距離を取り機体の準備に取り掛かる。
ワルプルギス魔法女学院の選手は三人。
相手の先鋒は、ピンク髪のショートカットの少女。
少女が左手首に装着した赤く小さな丸盾に右手で触れる。
すると丸盾が一瞬白く輝き、青く光り輝くカードが握られる。
「来たれマジンナイト、レギュラ~~~スッ!」
少女がカードを天に掲げて叫べば、彼女の立つ大地に青い光が走り円を描く。
光は少女を中心に魔法陣を描き、光の柱を立ち上げると天からボディが獅子の頭をした真紅の人型スーパーロボットが降臨し少女を吸い込んで着地した。
「レギュラスがいるから私、怖くない!」
暗闇の中、青く光る魔法陣の上に立つ少女。
ロボと同じ真紅の鎧に身を包み、拳を構えた。
「気合入ってるな、行くぜ皆♪ シフトコード、マグナファンロン!」
金馬が微笑み、フィギュアを出し、巨大化させて乗り込む。
マグナデウスのコア、ボディと頭部は金馬の固定だ。
「シフトコード、マグナロコモですわ!」
金馬に続くのは自称副部長のメープル、今回の担当部位は右腕。
「シフトコード、マグナタートルで~す♪」
三番手はドロシー、左腕担当。
「シフトコード、マグナウルフ」
四番手はマッシュ右足担当。
「シフトコード、マグナフェニックス!」
最後はカナメが左足担当と、各自の機体をフィギュア形態から巨大な実機形態に変形させて乗り込む。
「「合体、マグナデウスッ!」」
皆が乗り込んだら機体を合体させる。
相手が赤き獅子なら、金馬達は金の龍。
合体スーパーロボット、マグナデウスの登場だ。
「皆さん、僕とシャルルロアが控えてますから安心して下さいね♪」
シャルルは二番手として傍で待機、マグナデウスが負けたら交代だ。
「レギュラス、行くよ! クロウア~~ムッ!」
『任せろ我が騎士たる花子よ、我が爪を存分に使えっ!』
パイロットである、
同時に、コックピットの外でもレギュラスの両腕に盾にもなる巨大なクローアームが虚空から召喚されて装備された。
「来たな、あれが魔法ロボの
武装したレギュラスに対して、マグナデウスが身構える。
「どういたしますの? 距離を取ります?」
メープルが通信で金馬に尋ねる。
「いや、あれは東西は違うがこっちと近いから殴り合うしかねえ!』
「わかりましたわ♪」
「金さんもメープルさんも脳筋で~す!」
「うん、知ってた」
「部長の判断を信じよう」
飛び道具での下手な牽制や、バリヤーでの防御は破られると判断した金馬。
「行くよレギュラス、炎の爪~~っ!」
花子が叫び右腕を振るえば、レギュラスも同じく右腕から燃え盛る炎を出して爪を振るい襲い来る。
「ドロシー、火には水で頼むぜ♪」
「オッケ~で~す♪ マグナスクリュ~アッパーッ♪」
相手の燃え盛る爪に対して、マグナデウスは海の荒波の如き量の水を生み出して左腕に纏いコークスクリューアッパーで突き返しに挑んだ!
炎と水、拳と爪がぶつかり合いド派手な爆発が起こる。
「あいつ、自分から飛んで避けたね?」
カナメが通信で状況を告げる。
「次、向こうの飛び道具が来るよっ!」
マッシュがレギュラスが炎の弓矢を生み出して構えているのを目撃。
『花子、詠唱して威力を上げるのだ!』
「うん、獅子の炎よ紅蓮の矢となりて敵を討て! クリムゾン・シュートッ!」
レギュラスのコックピット内では、花子が炎で出来た洋弓を構えて矢をつがえる。
弦を絞り、矢を射る構えから呪文を唱えて矢を放つ花子。
同時にレギュラスも炎の弓から灼熱の矢を、マグナデウスへと向けて発射した。
「熱い奴だな、面白え♪ 全力大火球、マグナフランマ!」
金案の闘志が燃え上がり、マグナデウスも頭部から巨大な火炎弾を発射。
レギュラスの炎もマグナデウスの炎も、魔法の炎。
同属性の魔法はぶつかり合う時、魔力の強さが互角なら対消滅しどちらかが上回れば相手を喰らう。
両者の炎対決は対消滅、互角であった。
「やるなライオン頭♪ なら、殴り合いだ!」
「レギュラスの力を借りて互角、なら格闘しかない!」
メインパイロット同士が、同じ結論に辿り着く。
二体の巨人が拳を繰り出し、互いの頭部をクロスカウンターで殴り合う。
「良いパンチだな、だが俺達の勝ちだ♪」
「……ごめんレギュラス、負けちゃった」
砂が風に舞うように消滅したレギュラス。
空に放り出された花子を、マグナデウスが傷付けぬようにバリヤーを張って彼女を包み両手で受け止めて助けて地上へと降ろす。
マグナデウスがまずは一本、勝利を手にした。
「ふう、勝ったし相手のパイロットは助けられたしやったぜ♪」
「金馬君、普段も女子に対してそのように接することをお勧めしますわ♪」
「金さん、格好良いのに女子からの好感度低いで~す」
「いや、俺の人当たりの良さは太陽の如く万人を照らすぞ?」
「いや、金ちゃん割とガラ悪くみられてるよ?」
「蛇の目をしてるって言われてる」
「散々な評価だな俺っ!」
コックピット内の通信で、仲間達から言いたい放題言われる金馬。
「金馬さん、相手の次鋒が出て来ますよ!」
「おう、任せろ!」
シャルルからの通信に答える金馬。
今度の相手は水色のポニーテールで釣り目の美少女。
「花子の仇は私が取る、来たれマジンナイト・エルタニン!」
七草花子と同じ茶色ブレザーの制服を着た少女が、カードで魔法陣を描き地面から湧き出た水と共に機体を召喚した。
「おいおい、今度は西洋の同族頭かよ」
金馬がエルタニンを見て呟く。相手の姿は全身が青のカラーリング。
ボディが西洋のドラゴンの頭で、手足と頭部にはヒレが付いていた。
「エルタニン、中華のドラゴンなんかに負けちゃ駄目よ!」
『任せて下さい、真珠!』
エルタニンの中で、青い鎧を纏い金色の三叉槍を手にした少女。
その名も、
エルタニンが足からウオータージェットの如く水流を噴き出して突撃。
槍の穂先に電撃を纏わせて突いて来た。
「受けて立ちますわ、ロコモラッシュ!」
マグナデウスも、右腕のロコモが煙突から煙を上げて猛ピストのパンチを繰り出して相手の刺突を突き返して行く。
「流石ね、ならこれはどうかしら?」
エルタニンが、飛び退いて槍を天に掲げて雷雲を呼ぶ。
天からの雷が、避ける間もなくマグナデウスに降り注ぐ。
落雷の余波が大地に当たり煙が起こる。
不安げに見守るシャルル、だが煙の中から無傷のマグナデウスが現れた。
「へっ♪ 西洋の同族さんよ、こっちが雷を吸えるって知らなかったかい♪」
「いや、ヤバかったかもだからね金ちゃん?」
「次はないかも知れないよ?」
「変な博打はお止めなさいな?」
「金さん、ギャンブルはメッで~す!」
仲間達から怒られる金馬。
「ごめん、次は詠唱で強化して攻める!」
『その意気です真珠』
「天の雷霆よ、我が槍に集いて敵を貫けっ! ライトニングピア~~スッ!」
エルタニンの槍に雷が落ち、手の槍が魔法の光の槍となって投擲された。
「マッシュ、顔面キャッチ頼むぜ!」
「任されたっ!」
マグナデウスが右足のウルフの頭を蹴り上げる。
蹴り上げられたウルフの牙が光の槍を噛んで止めた。
「ナイスキャッチで~す♪」
「止めはカナメ、決めてくれ!」
「任せて、バーニングオーバーヘッド!」
相手の槍を捨てて突進したマグナデウス。
左足のフェニックスが口から炎を吐きつつ、オーバーヘッドキックを放った。
エルタニンは両腕でガードをするも、ガードごと蹴り飛ばされる。
『いけない、真珠は守らねば』
エルタニンが意識を失った真珠を、バリヤーを張って脱出させて霧散化。
真珠を覆ったバリヤーは無事に着地して消滅した。
「真珠さん、お疲れ様でした」
ワルプルギス校の三人目の選手らしき眼鏡をかけた亜麻色の長い姫カットの美少女が現れて真珠を担いで後方へと下がって行く。
かくして、マグナデウスチームは大会の一回戦を突破したのであった。
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