第133話
【レイカ視点】
見切りのシンさんから連絡が来た。
『暗黒会議を招集する』
予想通り。
『10分待ってください』
「お父さん、お母さん、お世話になりました。仕事が入ったので帰りますね」
私はフトシ君の家から出てホテルに戻った。
『お待たせしました』
『すぐに始める』
『OKです』
会議アプリに私を含めて4人の顔が映し出された。
モンスター省のレイカ
見切りのシン
BL同人漫画家兼冒険者のハヤテ
ハザマ施設のオーナー
『暗黒セクシープロジェクトの進捗について聞きたい』
「シンさん、計画通り、サードプレイスへの誘導は出来そうです」
『僕の夢、特級冒険者の皆さんと握手と写真撮影ができるかな?』
「全員が行けるかは分かりませんが、私やフトシ君と交友のある方もいますから、チュンチュンジャンプを呼べる可能性はかなり高いかと思います」
『そうか! 成功したらレイカの願いを応援しよう』
「ありがとうございます」
『ふ、ふふふふ、フトシ君だけじゃなく、レン君も、く、来る?』
ハヤテさんが目を見開いた。
美人ではあるが、髪はぼさぼさでBLの話になると目の色が変わる。
「はい、レン君の誘導もうまくいきそうです」
『ふ、ふふふふ、成功したら、な、何でも協力するから』
「ありがとうございます。ゼンさん、あなたの目的であるフトシ君とのコネクションを作る件も出来るだけ手を尽くします」
『うむ、世界最大のハザマ施設を作り、フトシ君にはそこに住んでもらう! これこそが私の夢だ! 冒険者育成のカギはフトシ君にかかっている! 日本の未来の為に彼は必要だ!』
ゼンさんは30代の男性でこの中では一番の人格者だが、空気を読まず話に割り込む所があり声が大きい。
『もっとも、世界一のハザマ施設建造の夢は先を越されてしまいそうだがな! はっはっはっは!』
「諦めてはいけません。たとえ世界1位ではなくても2位、3位とベストを尽くしましょう」
『もちろんそのつもりだ!』
「確認しておきます。第一の目標はフトシ君とレン君をサードプレイスに導く事です。そこは皆さんの共通目標としましょう」
みんなが頷いた。
「次に、シンさんの目標は特級冒険者の方と握手、そして写真撮影をする事、ハヤテさんの目標はフトシ君とレン君のBL創作活動の資料収集、ゼンさんの目標はフトシ君とのコネクション、連絡先の交換でいいですね?」
『合っている』
『そ、それで合ってるわ』
『間違いない!』
「皆さんの願いが叶った暁には、私の計画にもご協力をお願いします」
『『お互いの目的の為我らは協力する!』』
こうしてネット会議は終了した。
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