第109話
【レイカ視点】
「こちら、国会議事堂周辺は今スケルトンのハザマが無数にあり、危険な状態が続いています。モンスター省としては迅速な情報の配信により皆様に注意喚起をしていきます」
スケルトンのハザマが出て危機を伝える。
これがメインの配信。
ダンジョンから撤退した後、またフトシ君を現場付近に呼ぼうとしたが、2回目は私の権限が無くなっていた。
そして勝手な行動をしないように雑用を押し付けられた。
でも今は有事、ダンジョン省を飛び出した。
フトシ君を表舞台に立たせるには民意から促す方が早い。
最初は誰に聞くか決まっている。
「現場にいる特級冒険者の皆さんに話を伺っていきます。チュンチュンジャンプのスズメさん、今の状況は改善しそうですか?」
「少しずつ、改善はしてる、でも」
「でも?」
「人が、足りない」
「誰が来れば助かるでしょうか? 今私に出来る事はありますか?」
「フトシを呼んで欲しい」
ナイス!
「オオタフトシくんですね!ダンジョン撤退後に、私の権限が無くなってしまい、呼ぶことが出来なくなってしまいました。ですが特級冒険者のスズメさんの意見なら、政府やダンジョン省が参考にする可能性はあります」
あくまで国を批判しないように私の状況を伝える。
そしてフトシ君の話を引き出す。
「フトシが必要、フトシは18人目の特級冒険者になるべき」
「はい、ありがとうございました」
「次は同じくチュンチュンジャンプのハンマさんに話を伺います。この状況は解決出来そうですか?」
「ここは時間の問題で終わる、でも、ダンジョンの攻略が遅れるだろうねえ」
「私に何か出来る事はありますか?」
「……フトシを呼べればいいんだけどねえ。人が足りない」
流石ハンマさん、私の意図に気づいた。
私はこうして1人ずつ話を聞いて行った。
あくまで現状を皆さんに伝える事を第一にフトシ君の話を引き出す。
「フトシ君が来れば楽になるわ」
「何とかしてフトシを呼べないか?」
「人をもっとよこして欲しい。高校生でも戦えるなら要請を出して集めて欲しい」
「フトシがいれば楽になるだろう」
「のんびりしてたらダンジョンからまたアシュラが出て来ちゃうわ。国には打てる手はすべて打ってほしいわね。私も頑張るけど」
私は配信で話を引き出し、配信を終えた。
そして掲示板を開き、文章を読んでいく。
思わず笑顔になった。
計画通り!
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