第94話

 プライベートルームに入ると100のスケルトンが矢の道を走る。


「多くてごちゃごちゃしているので矢で数を減らしますね」


 スケルトンを減らして第三階層・門の部屋におびき寄せた。

 門の部屋は10×10×10メートルの立方体の内部で、6面すべてに門のゴーレムがいて、それぞれ2本の腕には金棒が握られている。


 門のゴーレムが金棒を振り下ろす。


 ドスン!ガシャン!


 スケルトンが割れて魔石に変わった。


「え?」

「あ、説明不足でした。門のゴーレムから出ている2本の腕が金棒を振ってモンスターを倒します。ゴーレムがやられない限りモンスターは次の階層へワープ出来ません。」


 ガシャンガシャンとスケルトンが割れて魔石や剣に変わっていき、全滅させた。


『迫力が凄い、こいつ、今話題のフェイズ1に連れて行けばいいんじゃね?』

『でも、代償とか、制限とか無いのか?』

『それは俺も思ってた』


「こんなに、簡単に」

「でも、ちょっと攻撃を受けましたね。次に行きましょう」


「ちょ、ちょっと待って、制限はないの?」

「矢ですかそれとも門のゴーレムですか?」

「どっちもよ」


「矢は、制限なく撃ち続けられます。門のゴーレムは倒されると回復に時間がかかりますね。1日くらいで直ります」

「矢は制限がないの?」

「ですね、でも、雑魚でそこそこの数にしか効きませんから」


『レイカちゃんが驚いて素になっとる』

『矢の制限なしで雑魚専用ってマジ!?スケルトンは中級1体でも結構厄介だぞ? 雑魚やないで』

『ハザマ内だと、ボスを入れて101体が出現上限数だ、つまり、中級ならほぼ無傷で無双し続けられる』

『レイカの検証は大手柄じゃないか?』


「次に行きましょう。早く動かないとハザマ狩りが終わらないので」


『こいつ、ハザマ施設全部を回ってボス以外全滅させようとしてる』

『なんか、魔王城みたいだな』


「フトシ君、魔王城に似てるってコメントが来てるわ」

「ゲームのラストダンジョンみたいな感じでイメージしてたので、それが原因かもしれません。次は第四階層ですね」


 俺はハザマを出てまたハザマに入った。

 門のゴーレムを消して第四階層・闘技場にゴーレムをおびき寄せた。


 13体のシャドーが金棒でゴーレムを砕く。

 更に体長5メートルのテスラゴーレム1体が雷を帯びながらスケルトンを素手で殴り砕いた。


「13体のシャドーとテスラゴーレムがいる闘技場が最終防衛線です」


『やっぱり砦じゃなくて魔王城やん!』

『シャドーとテスラゴーレムが怖すぎる!』


『こいつ、スケルトンのフェイズ1に放置しとけば雑魚は全部死ぬんじゃね?』

『特級の拠点にも出来るだろ、マジで逸材やん!』

『召喚タイプのユニーク系でここまで強くなるって、かなりレアな人材だよな』


 最初驚いていたレイカさんだったが、ハザマのモンスターを倒す作業を続けるうちにパソコンをいじりだした。


 そしてその顔は笑顔だった。

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