第93話

 俺達はオーガのハザマに入った。

 そしてハザマを使いプライベートルームにワープした。

 画面を映し出し、その様子をドローンが撮影する。



 オーガ33体が第一階層にワープした。


「フトシ君、砦の説明をお願いします」

「はい、第一階層はモンスターがワープしてくる階層です。第二階層に行きます」


 ハザマを出せることは言えない。

 でもそれ以外は正直に言おう。

 レイカさんに嘘は通用しない気がする。



「次の第二階層からが防衛施設になります」


 矢が10本飛んでオーガを倒した。


「え?こんなにあっさり、しかも全部ドロップしてる?」

「オオタは1年間、ずっとゴブリンを狩っていた。毎日毎日ランクを上げることなくゴブリンのみを狩って来た」


「ドロップ率アップのスキル……まさかドロップ100%!?」

「い、いやあ、大体、ドロップが出るかなあって感じで、絶対100%かは分からないです」


「いいですよ、私が後で配信をチェックしますから……お、配信は成功していますよ。1万人越えの人が見ています」

「え?」


 スマホを取り出すが、レイカさんが話しかけて来た為スマホをしまった。


「矢が出る道の他にもありますか?他があれば検証したいです」

「分かりました。第二階層の矢を止めて、第三階層に行きましょうって、オーガはもう倒しましたね。次に行きましょう」


 フトシが見ていない隙にコメントが盛り上がる。


『フトシの試験動画を見てチャンネル登録しました。鳥肌が立ちました』

『昨日突如アップされた試験動画、彼はやはり逸材ですね』

『弱い召喚系のはずなのに、普通に戦って強い、砦のスキルも強い、ワクワクが止まりませんな』

『ついにフトシの全貌を知る時が来た。待ってたやつが来た!』



「とりあえず外に出ますね」


 俺達はハザマから出た。


「次はどこに行きますか?いつも通りでいいですよ?」

「オオタ、スケルトンはどうだ?」

「スケルトンもいいですが、いつも通りなら、順番にハザマに入ってモンスターを倒しましょう」


『ん?意味が分からなかった』

『入るハザマを選ぶのは常識なのに? 流れ作業のように隣のハザマに入って行くのか?』

『でも、冗談を言っているようには見えない』

『黙って見守るのが紳士のたしなみだろ?』


「隣の、お、丁度スケルトンのハザマにします」


『魔法陣が結構光っとる』

『100体くらい出てくるんじゃね?危ないぞ』

『でもフトシは金棒の一振りで大量に倒してたし、行ける行ける!』

『スケルトンに金棒の打撃は有効だ。他の人間なら止めるけどフトシなら問題無いだろ』


 俺はスケルトンのハザマに入った。

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