第6話 縁日デート
そして、佐藤と付き合い始めて1ヶ月が過ぎた。
今日は土曜日なので二人でデートをしている。
俺は佐藤にプレゼントを買うためにショッピングモールにやってきた。
いろいろ悩んだ結果、俺は指輪を選んだ。
喜んでくれるかな。
俺は待ち合わせ場所に行くとすでに佐藤が待っていた。
俺は声をかけると彼女は笑顔で応えてくれた。
それから二人でいろんな店を見て回った。
そろそろ帰ろうかという時間になり、俺は彼女に指輪を渡した。
彼女はとても喜んでくれた。
俺は彼女の喜ぶ顔を見るだけで幸せだった。
家に帰ると俺は青春攻略ノートをつけた。
・佐藤と付き合うことができた。
・佐藤の喜びようはすごかった。
・彼女への愛が深まった。
俺は満足すると眠りについた。
翌朝、俺は登校中に加藤に声をかけられた。
加藤と一緒に歩いていると、佐藤の姿が見えた。
いよいよ夏休みだ。前世では夏休みは浪費してしまいがちだったが、今年は今後の練習もかねて色々な予定を入れようと思う。特に佐藤とのデートの予定は沢山いれたい。
「翔くん、おはよう」
「おはよ」
佐藤はいつものように挨拶してきた。
俺は彼女と腕を組むと、そのまま胸を押し付けられた。柔らかい感触が伝わってくる。
小学生とはいえ少しは成長しているのだな。」
「なあ佐藤。今年の縁日一緒に行かないか?」
「いいよ」
「じゃあ決まりだな」
俺たちは約束をした。
縁日当日、塾の夏期講習を終えすっきりした気分で神社に向かう。
「佐藤、待たせたな」
「全然待ってないよ」
「そうか」
「それより今日は浴衣着てきてあげたわよ」
「おお、似合ってるじゃないか」
「でしょ」
「行こうぜ」
「うん」
俺たちは手を繋いで
「りんご飴買ってくれる?」
「いいよ」
「ありがとう」
佐藤は俺の手を引っ張っていく。
「ねえ、射的やりたい」
「いいよ」
「あれ欲しいな」
佐藤は猫のぬいぐるみを指さす。
「取れるかな?」
「任せとけ」
俺は300円を払うとコツを教えてもらい銃を構える。
パンッ。
弾は外れてしまった。
「惜しい。もう一回やってみたら」
「そうだな」
俺はもう一度チャレンジする。今度はうまくいった。
「すごいじゃん。もう一個取ってよ」
「わかった」
俺はもう一個の猫のぬいぐるみを取ることに成功した。
「ありがとう」
佐藤はとても喜んでいた。
「次はどうする?」
「輪投げしたい」
「オッケー」
100円玉を渡すとお釣りを返される。
「私から投げるね」
「頑張れよ」
佐藤は狙いを定めると見事景品を獲得した。
「やったー」
「やるじゃないか」
「でしょ」
「次は何がほしい?」
「金魚すくいやりたーい」
「よし、行くか」
「うん」
佐藤は水槽を眺めていた。
「どれにする?」
「この子可愛い」
佐藤は小さな赤い出目金を掬っていた。
「これ持って帰るね」
「そんな小さいのでいいのか?もっと大きなやつがいるんじゃないか」
「これで十分だよ」
「まあいいか」
佐藤は楽しそうにしている。
「翔くん、そろそろ花火が始まる時間だから見に行こうよ」
「ああ」
俺と佐藤は人混みの中へと入っていった。
「翔くん、どこで見る?」
「うーん、ちょっと遠いけど穴場があるんだ」
「へー、楽しみ」
「こっちだよ」
俺は佐藤を連れてある場所へと向かった。そこは人気のない高台だった。
「ここならよく見えそうだな」
「ほんとに綺麗に見えるね」
「ああ」
ドーン。
「始まったみたいだぞ」
「きれい」
花火は次々と打ち上げられていく。
俺は佐藤の横顔を見ていた。彼女は花火に見惚れているようだ。
「翔くん、キスしてもいい?」
「えっ、ここでか?」
「うん」
「周りには誰もいないけど、誰かに見られるかもしれないぞ」
「大丈夫だって。ほら」
佐藤は目を閉じて待っている。
「しょうがないな」
俺は彼女の唇に自分のそれを重ねた。
「ありがと」
佐藤は笑顔を見せた。
「来年も再来年もずっと一緒だよね」
「もちろんだ」
これが、恋愛……。俺が前世では30年以上経験できなかったもの……。スペックのおかげもあって
小学生の間にキスまで経験することができた。さあまだ青春リベンジは始まったばかり。俺は高校に向けて
さらなるモテを極めなければならない。
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