第83話 現代人はオークションで張り合う
マウリス教国の南の街で家を買い、馬車の荷台部分を大きくするDIYをしたり、押し掛けて来た第三聖女を追い返したりして過ごしていたらオークションの時間を迎えたのでオークション会場へ。
一応国も冒険者ギルドも一枚噛んでいるオークションだから、中々に大規模なオークションだね。マウリス教国中の商人が集まるし、国外からの参加者も多い模様。参加者が出品者でもあるし、お金を持っている人が多いから競り合いになったらヒートアップしそう。
軍資金は、まあ100億円までなら余裕で出せるから良い深層装備はどんどん買って行こう。自分達が使えなくても領地にいる魔物達に渡して魔物軍団を強くしていきたいしね。そうこうしている内に、まず一品目。魔力を込めると浮遊する性質を持つ貴重な飛行石が20個セットで売られる。
あれはどこも国が管理している奴だからこうやって売りに出されるのは珍しい。1個当たりの正規の値段は500万円ぐらいかな。1個だと大したものは浮かせられないけど、20個もあれば空飛ぶ馬車ぐらいは作れそう。というわけで早速購入の意思を見せるけど、初っ端の目玉商品なだけあって他にも競り合う人が多い。
一気に上げるのはこういう場だとマナー違反っぽいけど、まあマナー違反を指摘して来てもそんなの知るかで押し通せるし2億5千万ラインでデッドヒートしているところに割り込みして4億を提示。お、一瞬で降りた人が何人もいるし、決まりそう。
と思ったらまたヒートアップし始めたので6億提示でようやく落札。無駄にお金を払った気がしないでもないけどこれで空飛ぶ家ぐらいは作れそうだし空の旅をハルやムーに頼り切らなくて済むのは大きい。……魔力もまあ、無駄に増えて来た自分の魔力が使えるからな。
お金をキューに預けて、飛行石を取りに行かせるけど別に後で清算でも大丈夫とのこと。それならこのままオークションに参加し続けるか。
その後はダンジョン内で敵の方角が分かるアイテムとか、使い捨ての一時的な逃走用アイテムとかを売っていたけどパス。出て来た魔物は全部倒すし、ちゃんとマッピングしてリスポーン地点は調査するし。敵の巡回ルートのパターンはある程度決まってるから魔物の方角が分かるコンパスは貴重品ではあるけど不必要だね。
装備や武器以外の貴重品が売られた後は、奴隷タイム。たぶんオークション会場が一番盛り上がるポイントはココ。例のエルフ族の第三公女は気になるけど、たぶん数億円まで値は跳ね上がるな。
「おっさん共がめっちゃ吊り上げるな」
「あそこにシュヴァリエのライト王子がいますね」
「あ、ほんとなのじゃ。普通に参加してるのじゃ」
そして案の定、トップバッターは例のエルフ族の第三公女。かなりヒートアップしてるけどその中にシュヴァリエの目隠れ王子も居た。ローが見つけたけどこの大量に人がいる中でよく見つけたな。
そう言えば、奴隷の女の子も買ってたなあの王子。その奴隷をパーティーメンバーの一員として扱っているみたいだし、そういうのを買うことに躊躇はしないタイプか。……何で仮想敵国のマウリス教国のオークションに参加してるのかは分からないけど、用事があったのかな。
こりゃもう少しストーリー部分を詳しく聞き出すべきだったな。この行動が原作通りか否かがわかんない。オークションの方はそのまま値が吊り上げられ、ライト王子が3億円で落札。奴隷の女の子としては最高額らしい。よくポンと3億も出せるなと思ったらあいつ一応国家元首様だったわ。
あとそれに2億4000万円ぐらいまで付き合っていたサウイマ商会のケイトさんも何でここにいるんですかね?いやまあ商人だしマウリス教国との取引も一応あるみたいだから納得ではあるけどエルフのおにゃのこを2億出しても買いたいのは性欲の正直過ぎる。
あ、ケイトと目が合ったら視線逸らされた。何というかエロ本を買いに来た友人と鉢合わせた気分だわ。個人的には別に構わないと思うが。奴隷という存在がいる社会だし。
そもそも現代日本で一番売れている同人エロゲーが元奴隷の少女をヨシヨシして懐かれてエッチするゲームなんだから、奴隷を買って厚遇して幸せな家庭を築きたいという性癖はもはや一般性癖と言っても良いのでは?
ハンバーガーが世界で一番売れているからハンバーガーが世界一番美味しい論には賛同できないが、ハンバーガーが美味しいと思う人の割合や、ハンバーガーのコスパが良いと思う人の割合はそれこそ世界一ではなかろうか。あ、ケイトがケモミミ少女買ってる。わりと幼女趣味なのかあの人。
「ますたーは奴隷買わないの?」
「奴隷が欲しくなったら領地の人を奴隷にするからわざわざ買う必要はないな」
スーに直接奴隷を買わないのか聞かれたけど、女を買ったら買ったらで面倒なことが起きるのは把握しているので現状維持しか選択できない。そうこうしている内に奴隷のオークションも終わったので、武器や防具のオークションが始まる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます