第78話 現代人はモンスター娘に抵抗がない
暇になったのでスターリングラードの冒険者ギルドに行き、依頼を眺めていたらレーニンさんが登場。一応この国のトップ2なのにフットワーク軽いな。
「そう言えば聞いておきたかったのだが、そのモンスター娘達はどうやって従えたんだ?」
「魔物商店で買って育てただけだけど。……異世界ギルドストーリー2でモンスター娘というか魔物娘って登場していたんだよね?」
「ああ。魔臓をドロップさせるとそこから練成出来て仲間になるようになるのだが、そこら辺は違うのか」
「魔臓って絶対回収する部位だけど……練成ということは無から生物作るゲームだったのか」
このレーニンさん、モンスター娘が好きだとこの後語り始めたけど愉快なおっさんだな。というか2014年ってモンスター娘の概念はどういう扱いだったんだろう?……確か結構昔に流行りになったそういうアニメや漫画があったっけ?
なお途中で美人な秘書に連れて行かれたので本当に魔物娘の従え方を聞きに来ただけだった模様。……さっきの秘書、恋仲っぽかったから普通にこの世界で人生楽しんでそうだな。この碁盤のような都市を実際に作っていったのはレーニンさんらしいし。
碁盤の目の都市を作れと言うのは簡単だけど、実際の作業に落とし込んで作り上げていくのは相当大変だろう。同じ建物が並んでいる点も、利点は大きいし恐らく耐震性とか耐久性はかなりあると思う。この街の家は、アリエルの街にある家よりかなりしっかりした作りになっている感じだしね。
レーニンさんが去った後は、依頼を見直すけど面白そうなものはあまりない。アマゾネス族がスターリンの南にある村々を襲っているから助けてくれ、みたいな依頼があるんだけどそれは国が何とかするべき事じゃないのか?
ああ、そういえばこの国戦争中だった。軍人がそれほど多くはなさそうだったし、数で攻めて来るマウリス教国相手に回数制限のありそうな大砲で立ち向かうのは中々に辛そう。銃も強い人相手だと通用しなさそうなのがなあ。40階ぐらいなら突破する人は稀によくいるし。
……というか補給線が伸び切ってそうなのはスターリンの辛いところ。そんな中で南に戦力を割けない感じか。
とりあえずアマゾネス族に興味が湧いたので行ってみることに。依頼が来るということは、そこまで遠くはないはず。噂によると女だけの蛮族らしいけど、実際にどういう文化してるか気になるし。
南にはアマゾネス族以外にもノーム族とかドワーフ族がいるらしいけどフェアリーとノームでどう違うんだ。……魔物じゃないけど魔王の手先になると考えたら魔物側の人、なのかな。
あと南にはエルフもいるらしいけどみんなマウリス教国では蛮族扱いである。シュヴァリエと花騎士の方ではエルフ族のヒロインもいてそれが可愛いとか言ってたから見に行ってみたい気持ちはある。異世界ギルドストーリー2ではエルフとダークエルフが世界を滅ぼす側の種族らしいけど。
「……なんかずっと森だな。未開の地が多いけどどこまでがスターリンの国土だろ?」
「山はまだ二つしか超えてないからあと二つ山があるはずなのじゃが……照魔境の範囲だと山はないのじゃ」
「遠くまでずっと森が続いてますね。……一度海岸沿いまで東に行った方がまだ人はいるかと」
ハルとムーが交互に荷台を運びながら、南へ進んで行くと街や村の数は次第に少なくなり、延々と森林地帯を飛ぶこととなる。街道が手入れすらされてないとか南側はほぼ未開の地だな。
そして唐突に弓矢が飛んでくる。あ、これアマゾネス族の村というかテリトリーに入ったんじゃないか?矢が飛んで来た瞬間、その矢をスーが光線で消し去り、そのまま射線上の大地を消す。アマゾネス族に被害が出てないかは心配である。
しかしまあ、結構遠かったな。このアマゾネス族が襲撃というか略奪をする時は結構な遠征をするということか。直接会うのは怖いので、上空からコミュニケーションを取ろうとするがどうやら言葉が通じていない。
「даредаомаетати」
「……んー、キューは分かる?」
「しばらくここに居れば解析出来る自信はあるのじゃが……」
『おお、主殿に朗報じゃ。意思の念話ならコミュニケーションが取れるようなのじゃ。とりあえず向こうは、誰だお前達と警戒をしておるな』
『……ああこれ魔法で意思を伝えるから言葉の壁を突破するのか。思っていた以上に便利な魔法だな』
ちょっとキューが念での会話を行うと、無事にコミュニケーションを取れたが警戒されているのは変わらず。ただそれですぐに襲ってこない辺り、力量差は分かってそう。まあスーの光線で弓矢とその先の木々を消滅させているのを見てるからね。
それにしても、全員半裸の女だけど強そうな雰囲気だな。深層装備っぽいものも幾つか見えるし、この辺はシュヴァリエと花騎士の方だと終盤に戦う敵っぽいから基礎ステータスが高いのかな。1人魔物使いの子も居たので、拉致しようかと迷ったけどコミュニケーションを取ってみるか。
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