第8話 現代人は尾行に気付き辛い
スネーク君がラミアに進化したけど外見は女の子っぽくない。スネーク君とは言っているけど性別はちゃんと雌です。……肌がうす暗いのが個人的にはよろしくないし、エリートフェアリーの方がまだあるぞと言わんばかりに絶壁なのは本当にがっかりである。ちょろっとぐらい胸を揉みたい気持ちはあった。
というかラミアって基本的に巨乳のイメージしかないのに壁なのは本当にがっかりした。まあ胴体の蛇部分は柔らかく、かなり太くて長い上に力持ちなので念願の移動用魔物になってくれたのはありがたいけど。
ある程度潜った5階で、人気が少なくなったのでラミアの蛇部分に乗って移動を開始。……ゴム質の肉だなこの蛇部分。柔らかいようで筋肉質だからこれで締めあげられたら一瞬で死にそう。というかさっきボブゴブリンが締めあげられて一瞬で死んでた。正直そんな魔物が支配下にあるとかめっちゃ怖い。
今日は13階まで行こうかなとか考えていたところで、後ろから誰か尾行して来ていることを察知する。どうして自分が誰かに付き纏われているんだろ?依頼主はあの冒険者ギルドの受付のおっさんかな?あれ一応ギルドマスターらしいんだけど、ちゃんと喋ったことはない。
……今までの戦闘とか、見られてたのかな?恐らくダンジョンの入り口からついてきていたのに、7階まで気付かないのは自分が鈍感だった。まあでも一般人が尾行に気付けるだけでも偉い。気配を察知するとか普通出来ないもん。
尾行され続けるのは個人的に嫌なので、スネーク君に移動速度を上げるよう要求。すると恐らく人間が走っている速度よりも速い速度で移動し始めたのでスネーク君に抱き着かざるを得なかった。……スネーク君の胴体部分にはわりと筋肉質な腹筋があり、思っていたよりもごつごつしていた。君本当に雌だよね?
後ろから走って追いかけている感じがしたので、ラミアになったことで使えるようになったスネーク君が土属性魔法で壁を作って相手を錯乱させる。ダンジョン風の壁すらも作れる土属性魔法は便利だし、敵の魔物の足元に小さな壁を生やすことで転倒を狙ったりも出来るから小技も出来る。
あとは砂かけの要領で目つぶしが効く魔物というのが結構多い。9階層の大半を占めるオークとかには特に効果的で、戦闘中でも「ごぎゃ!?」みたいな鳴き声を上げた後に目をゴシゴシしてくれるお蔭でサクッと殺せる。結局のところ、嵌めて囲んで叩くのが一番だよね。
今日も10階層のゴーレムは転倒させて袋叩きにして、経験値を稼ぐ。いやこのゴーレム安定して倒せるなら金策にも経験値稼ぎにもなるの美味しいなあ。……何で昨日ゴーレムの核を回収しているのに1日経ったら復活してるんだろう。そして昨日も今日も10階到達は自分が一番乗りなのかこれは?
個人的に、この世界への謎が深まるばかりだけど推測では何らかのゲームの世界だと考えている。レベルアップして進化するシステムがある以上は、作られた異世界って感じがするし何かのゲームが元になっている可能性は高い。問題は自分がそのゲームを知らないことだけど。
魔物娘っぽいキャラクターが多いからそっち系のゲームかなとか考えつつ、13階まで一気に進行。10階を超えた辺りから、メインの魔物は1階層に付き1種しか出て来ないけど、これその階層が魔物にとって居心地良いように出来ているからダンジョン内で行き来をしないのかな。まあこの辺は後々考えるか。
13階はムーと同じアークインプだらけで、飛行しているので自分も攻撃範囲に入ってしまう。ただホーリースライムのスーが発光したらビクッとなって引き下がってくれるので、その隙をついてルーとローが魔法を当てるパターンが構築出来た。
ダンジョンで出て来る魔物相手に、初見殺しを構築することが出来れば後はカモである。このアークインプに関しては対策が出来ていないとかなり厄介な敵になる魔物らしいけど、かなりお手軽に対策が出来たなあ。
集団で出て来ても、スーがピカッと光る球を投げつけるだけで硬直するアークインプ達。ついでにムーも驚いて固まっていることが多かったけど、数回繰り返している内に慣れたのかムーには通用しなくなった。
……こうなると戦闘時に縦横無尽に飛び回れるムーvs目をパチパチさせて硬直するアークインプ達という構図になるので本当に楽。一から十までムーが倒し切ってしまうからそれ以外の魔物達に経験値がほとんど入らない状態になる。まあ別にムーが強くなるなら良いか。
しばらくは、この13階での稼ぎがメインになるかな。ここでまたほとんどレベルアップしなくなるまで狩りを続けて、安全マージンを確保しつつ攻略を進めていこう。あとこのダンジョン、15階に到達出来たらCランク、20階に到達したらBランクの冒険者になってしまうので攻略していくのはちょっと躊躇う。
……この街に、Aランク冒険者はいないっぽいから実質Bランクの冒険者が最高位っぽい。となると、いざという時に頼られたりするのだろうか。正直今はこの育成ゲームが楽しいので邪魔されたくないものである。
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