怒ってもらえる幸せ

星光かける

昨日も今日も、明日もまた


 昨日も怒られた。今日も叱られた。


 怒られている間は


「何だこいつ」


 とさえ思ってしまう。


 だけど、毎回叱られ終わってから思う。


「あぁ、なんて幸せなのだろう」


 いけないことをいけないと言ってくれる人が身近にいること。

こんなにも幸せなことはない。


 家、学校、会社。

歳をとっていくごとに広がる社会。

自分を叱ってくれる人は少なくなっていく。

そんな中で自分を見てくれる人がいる。


 家族、友達、仲間。

だんだん広がる仲間の輪。

誰かが自分を見る割合は少なくなっていく。

そんな中で自分を見てくれる人がいる。


 誰も自分を見てくれないというのは恐怖だ。

たくさん周りに人が居ると言うのに誰も自分を見てくれない。

ひとりで歩いている。


 誰にも期待されず、誰にも話しかけれれず、誰も気にも留めてくれない。

ひとりでいると心が恐怖に染まっていく。


「自分は何をしているのだろう」

「自分は何をしようとしていたのだろう」

「はたしてこの人生に意味などはあったのだろうか」


 『意味のある人生』というのは努力をしなければ作れない。

努力というものは美しい。

だからこそ、頑張る人の周りには自然と人が寄っていくのだろう。

だからこそ、人は努力をしようとするのだろう。



 僕は、明日も叱られる。

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怒ってもらえる幸せ 星光かける @kakeru_0512

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