第三話 妹【1】
朝目が覚めて私はベッドから起き上がり洗面所へと向かいシャワーを浴び何時ものスキンケアを済ましリビングへと向かう
扉を開けると既にテーブルの席に着きコーヒーを飲んでいる白小路彩奈がいた。
両親が死んでまだ子供だった私達兄妹を引き取ってくれた叔母さんだ。まぁ本人は叔母さんって呼ぶと怒るから彩ねぇと呼んでるけどね。
「おはよう麗華、私この後空港に行くけど麗華はどうする?」
「えっ…?空港?なんで?」
私は彩ねぇが何故空港に行くのか分からなかった。
でも何か忘れている気がする。何だっけ?
「はぁ?麗華忘れたの?今日は皇牙が帰って来る日よ」
彩ねぇにそう言われて思い出した。
めちゃくちゃ楽しみにしていた日なのに忘れるなんて…最近忙しかったせいだ!
「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁ!!忘れてたぁぁぁ!!」
「ちょっと!うるさいわよ!」
「だってぇぇぇ〜」
「だってじゃないわよ…それでどうするの?」
「行く!!」
そんなの行くに決まってる!だってお兄が帰ってくるのに私が行かないわけ無いじゃない!
私は返事と同時に直ぐに準備に取り掛かろうとしたでもその瞬間携帯が鳴り始めた。アラームかと思っていたが電話だったしかも相手はマネージャーだった。私は電話にすぐに出た。
『おはようございます白虎さん。本日事務所にてコラボの打ち合わせをするんですが…忘れてませんよね?』
えっ…コラボの打ち合わせ?
「コラボの打ち合わせですか?明日じゃなかったんですか?」
『やっぱり…勘違いしてましたね電話して正解でした…白虎さんは真面目ですがこういう所があるですよね…』
「あはは…面目ないです。それって今日じゃないと駄目ですか?明日とかに変更とか…」
私は日時を変更できるか聞いてみた。
出来たらめちゃくちゃ嬉しんだけどなぁ〜
『無理です』
「えっ…?」
返ってきた返事は即答の拒否。
イェーイ!速攻即答大否定って嘘でしょ…
「いやいや、そんなこと言って本当はー?」
『無理です。』
「なんでぇぇぇ〜!?」
『はぁぁぁ…良いですか?一度しか言いません。そもそもこの日にしたのは貴女ですよ?他の子達もその日なら大丈夫と言ってそれなら決まりと話し合った結果この日になっているんです。しかも他の子達もこの日以外は無理なんです。朱雀さんは箱外コラボが近々ありますし、青龍さんと玄武さんはオリジナル楽曲のレコーディングもありますし、麒麟さんはDpexの大会が近いのです貴女に至っては他の箱内コラボが何件かあるんです貴女を含め皆さんこの日を開けているんです確かに同期オフコラボは来月の予定ですが今月は皆さん予定が詰まっているんで詳しいコラボの内容などは今決めないとスケジュール管理がギチギチになるんです!!管理するマネージャー達の苦労も分かってくださいただでさえ貴女方3期生はマネージャーへの事後報告でどんどんコラボとか決めるから大変なんですよ…あぁ…一体今月はどのぐらいエナドリを摂取しないといけないのか…分かりましたか?分かったら返事して下さい!!!』
マネージャーはこの長文を息継ぎをせずに物凄い早口で私に言ってきた…まぁ確かにコラボとか決まった時事後報告で言ったこともあったけど…
「うう…ごめんなさい…事後報告するのはやめます…今日事務所に向かいます。」
『分かって頂けたのなら私はこれ以上言いません。コラボをご自身で決めるなとは言いません。出来ればコラボをしたいと私に言ってくれればできるだけ調整はするので』
「はい!ありがとうございます」
『ではまた後で事務所で会いましょう待っています』
マネージャーはそう言って電話を切った。
これからはちゃんとマネージャーを労らなきゃ!
「麗華アンタ…あんまり困らせちゃ駄目よ?」
「彩ねぇ…うん…ちゃんとする。」
「はぁ…皇牙の迎えは私だけで行くわ麗華は自分の仕事をしなさい」
「はーい!それじゃ私事務所に言ってくる」
「はいはい気をつけていってらっしゃい」
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