(三)-2
また、事件後、鳴沢の車がなくなっていた。恐らく犯人が使用したものと捜査本部では考えられている。もちろんまだ発見には至っていない。
もしも犯人が使用したのであれば、地理的にも、ホロプス山荘のすぐ近くを通る胆振国道を通っている可能性もある。証拠はないものの、山荘での殺人事件の犯人の可能性とも考えられた。
会議はさらに下沼兄弟の件でさらなる情報が報告された。それは、彼らの父の死についてであった。
彼らの父は大阪にある大手家電メーカーに勤務していた。しかも彼は正義感が強く労働組合運動に身を投じており、最終的には労組の委員長を務めることになった。
(続く)
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