学園レインフォール

プロローグ

　大陸のおよそ半分を占める広大な森。

　その中央に「精霊国」は存在していた。

　旧神と大自然の恩恵を受け、永きに渡り豊かに繁栄してきた精霊国。

　しかし、貴重な薬草や希少な生物が多く存在するその森は、それらの豊富な資源に目を付けた帝国人らによって崩壊の危機に瀕していた。

　彼らは大軍を以て木々を焼き払い、容赦なく森の最奥を目指す。

　精霊国の崩壊は、もはや避けられない運命のように思われた…………。

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　森の中にある学園──レインフォール。そこでは今日も多くの学生が「精霊騎士」を目指して鍛錬に励んでいる。

　霧雨が草花を濡らす春の頃。暗雲が立ち込め、天から雨が降り注ぐように、今年もまた学園に新入生がやってきた。

　ある者は将来を見据え、ある者は出会いを求め、またある者は友人に流されるようにしてこの学園の門を叩く。

　これは、そんな学園レインフォールの第120期生たちの物語である。