人生2周目の俺は1周目の知識を使って無双…しない

@peach-man

第1話 俺ってば高校生にタイムリープしたってばよ

朝目覚めたら知らない天井だった。


「………」


意識が覚醒し切っていない頭では、状況を理解できない。

iPhoneの再起動の方が俺の寝起きより圧倒的に早いだろう。

俺よりiPhoneの方が優秀なのは間違いない。


少しずつ意識がはっきりしてくるがまだ遅い。

強制的に目覚めを促すためにカーテンを開けることにする。

陽の光を浴びればこのポンコツの頭も動き出すだろう。


立ち上がろうとして気づく。


股間が爆発するように熱い。


「え?なんで朝勃ち?」


思わず声を出してしまった。

だって朝勃ちなんてここ数年ご無沙汰なんだもの。

嬉しいといえば嬉しいけど。


でも、これはこれで困るんだよな。

俺ってば朝起きたら1番にトイレに行くわけよ。

でも息子が元気だと、静まるまでオシッコできないわけ。

トイレがオシッコまみれになっちゃうからね。


…知らない天井よりも朝勃ちの描写の方が多いってどういうこと?


自分の思考にツッコミを入れてみる。


くだらないことを考えていたおかげか意識が

はっきりしてきた。


おおよそ6畳と思われる部屋の広さ。

祖父から小学校入学と共にプレゼントされた

デカい勉強机。

参考書よりもぎっしりとラノベで埋め尽くされた本棚。


ここは俺の部屋だ。

ただし、実家の。


結果的に知らない天井ではなかったわけだが、

昨日実家に帰ってきた覚えはない。


枕元のiPhone14で時間を確認しようと手を伸ばすが、そこにあったのは二つ折りのガラケーだった。


流石に気づかないわけにはいかない。


枕元にあるガラケーは俺が高校の時に使っていたものだ。


朝勃ち

実家の部屋

ガラケー


え〜以上を持ちまして私は理由もわからず

高校生にタイムリープしてしまったみたいです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

人生2周目の俺は1周目の知識を使って無双…しない @peach-man

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る