第47話 サリサ王国の復活

ーー2週間後


それから、どちらも目立った動きは無く2週間が経った。


「おお。これが我の屋敷か!」


「内装や設備を全面的に変えました。」


「では、中を案内してくれ。」


「はっ」



「玄関も良いな。」


「隣国で産出された大理石と、我が国の木材を使い分け、白と黒で

 派手すぎず落ち着くようにしてあります。」


綺麗な大理石と黒系の木材が玄関に使われていた。


「こちらは、食堂となっています。冬は冷えるので暖炉もあります。」


「ふむ。暖色系で上品な雰囲気だな。」


「続いて、閣下のお部屋でございます。」


「広くて住みごごちも良さそうだ。」


「お褒めに預かり光栄です。

 では、我々はこれで。」


「うむ。ご苦労であった。」



ーーその頃、オウニラ王国では


「国号を変えようと思う。」


新政府で週に一度開かれる評議会では、国号を変えるという案が

でた。


「陛下、理由があるようですな。」


「ああ。区別ができるようにしたい。」


「そうですか。」


「何か案はないか。」


「新オウニラ国とか?」


「オウニラ帝国とかどうですか?」


「そしたら帝政にしなきゃいけなくなるだろ。」


「どうすべきか・・・」


「そうだ!グレイング・オブ・ロアー王国になぞらえて、

 オウニラ・オブ・エルドー王国とかどうですか?」


「分かった。それでいこう。すぐに議会に提出だ。」


「「「はっ」」」


新政府の議会は、貴族院と市民院に分かれていて議会としての

権力は同じである。


貴族院は参加を希望する貴族が対象で、市民院は任期は2年または1年で

1年ごとに半数を入れ替える。そのため、2年目もできるかどうかは

その選挙次第である。複数回の立候補も可能である。



ーー翌日


「賛成多数で決定とします。」


拍手が議場に響く。


「良かったですな。」


「ああ。」



ーーその頃


「退けー!」


「勝ったぞ!」


リービア公国軍がゴンディー・オブ・パリサ帝国軍に勝っていた。


「久々に勝てましたな。陛下、大公閣下。」


「うむ。こちらの損害は?」


「死者が40人です。」


「少ないな。負傷者は?」


「戦線復帰が不可能な重傷を負った者が8名、戦線復帰が可能な重傷を

 負った者が10名、その他軽傷者が多数です。」


「そうか。負傷者の手当てを。」


「はっ」



ーーその頃、ゴンディー・オブ・パリサ帝国軍


「閣下、お怪我は⁈」


「大丈夫だ。問題ない。」


「しかし陛下が風邪を引くとは・・・」


「申し上げます!」


「何用だ。」


「帝都からの伝令です!旧サリサ王国の貴族たちが

 『サリサ共和国』をつくりました!」


「は⁈」


「貴族たちによる元老院と、民衆による市民会で構成された新たな国です!」


「何だと!!」

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