第3話 6月17日

 6月なのに8月みたく暑い。ヒートアイランド現象のせいだ。

 浦島警察署刑事課の主任刑事、日高川林檎は浦島市にある自宅の縁側でスイカを食べていた。。


 警察はウェブ制作会社『マリンスノー』の犯罪を自由にしていた。警察の上層部の中に『マリンスノー』の幹部、目黒誠の関係者がいたのだ。

『マリンスノー』は銃の大量密輸が公然と行われるようになった。

 日高川林檎警部補は、浦島市郊外の武器取引現場への潜入捜査で銃撃戦を起こして、倉庫で親しかった同僚刑事が撃たれ救急搬送された。捜査を外された林檎はカレシの和樹や父親の日高川功一の協力を得て、独自に隠し武器倉庫の場所に関する捜査を開始した。


 明治維新後、機械揚繰網が登場すると、遠浅な砂浜海岸で良港に恵まれない九十九里浜の地形が支障になった。漁業の盛んであった南部の地域では、河口を漁港として利用できるような大きな川は無く、漁船の大型化への対応が難しかった九十九里浜の漁業は一時衰退した。沿岸にある三つの漁港のうち、北端にある飯岡漁港は接するとはいえ砂浜海岸の外にあり、栗山川漁港は河口部のラグーンを活用しているが、片貝漁港は、在日米軍の高射砲射撃演習場の中止に伴う漁業補償金を基金として、砂浜海岸を掘り込んで1962年(昭和37年)に開港したものである。そのため、農業や観光が産業の主体となり、東京都心からも高速バスなどによる交通の便が整っていることもあって、観光産業に力を入れられている。また、一時衰退した漁業も観光資源として活用されている。海岸沿いには海水浴場が数多く整備され、夏は観光客で賑わう。保養地として国民宿舎を始め、多くの宿泊施設やオートキャンプ場が並ぶ。近年では、マリンスポーツと仕事を両方楽しむサテライトオフィス(シェアオフィス)の取り組みや、オーガニックやカフェがブームになったため、第1次産業を上手く活用したお洒落なレストランやカフェなどが多く進出している。


 砂浜海岸である九十九里浜の天然の砂浜は、古代の香取海、現在の利根川河口から流出した土砂や、九十九里平野の東側に隣接する海食崖である屏風ヶ浦等が侵食されて削り出された土砂が潮流によって運ばれて堆積したものである。屏風ヶ浦は砂岩質の土壌の上に火山灰が堆積して形成された脆く崩れやすい地質で、こうした侵食によって有史以降だけ見ても数キロメートルにわたって後退してきたと推測される。なお、有史以前の丸木舟の出土例は80を数えるが、出土地点は現在の栗山川とその支流借当川流域の、旧椿海周辺の海抜4メートル前後の地点に集中しており、当時海岸であったことがわかる。


 縄文海進以降、海岸が後退し陸地が作られ地表面には当時の堆積物の痕跡が見られる。海浜堆積物から求めた過去6000年間の相対的海水準変動と隆起の解析から、この地域では1回の隆起変異量が40〜120センチメートルといった現象を少なくとも4回記録している。隆起の原因としては地震が考えられるが、地震の発生年代は特定されていない。平安時代から鎌倉時代にあたる西暦800年〜1300年、史料に記載がないものの、房総半島沖でマグニチュード8.5程度の地震が起き、九十九里浜一帯が大津波に襲われたことが、津波堆積物調査により判明している。また、江戸時代には、延宝5年(1677年)に「延宝房総沖地震」と元禄16年(1703年)にも「元禄地震」が起き津波が押し寄せた。


 九十九里浜では、有史以降一貫して海岸線が後退してきたが、現在は海岸線の後退はほぼ停止し、むしろ砂浜の減少すらみられる。堆積土砂の供給源である利根川の河川改修の結果流下する土砂が減少し、消波ブロックの設置により土砂の供給と堆積が失われ、海岸侵食が深刻な問題となっている。養浜対策として突堤等を設置し、土砂流出を少しでも抑えようとしているが、抜本的解決には至っていない。

 

 波質が良好なため「サーファーの聖地」としても有名で、釣ヶ崎海岸(一宮町)に代表するサーフスポットも数多く点在する。一宮町を中心にサーファー専門店が多く、マリンスポーツと仕事を両方楽しむべくサテライトオフィス(シェアオフィス)の取り組みが実施されている。

 

 矢吹陽介は釣ヶ崎海岸にサーフィンにやって来た。

 九十九里浜の最南端に位置し、全域を千葉県立九十九里自然公園に指定されている。年間を通して良質な波が打ち寄せることから、多くのサーファーに親しまれている。


 ハイレベルなサーファーおよびプロサーファーが集まることから、サーファーが技術を磨くサーファーの聖地「波乗り道場」として知られる。年間約60万人が波乗りに訪れ、一宮町への移住者も増えている。


 海岸の砂浜には鳥居が屹立しており、玉前神社の例祭である上総十二社祭りなどが行われている。釣ヶ崎海岸広場には舗装された駐車場、シャワー施設、エコトイレなどが整備されている。


 サーフィンの聖地とされることからあらゆるレベルのサーフィン大会も多数開催されており、2016年(平成28年)5月と2017年(平成29年)5月には国内で開催された国際大会の中でも最高レベルにあたるQS6000 ICHINOMIYA CHIBA OPENが開催された。また、2021年に開催の2020年東京オリンピックにおけるサーフィンの競技会場として国際オリンピック委員会(IOC理事会)によって決定された。


 サーフィンを楽しんでいた矢吹は、鮫に左腕を食いちぎられる大怪我を負う。

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