童話 言って欲しかった

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むかしむかしあるところに

領主様がいました


一か月にいちど、領主様は町に来て娘を連れて行きました


領主様は連れて行くとき言いました。

「おまえを私の物にする。いいな?」


もちろん領主様のたのみですから断れません。

娘はおとなしく連れて行かれ、町の人たちはかなしみました。


また次の月がやって来ました

領主様が娘をみつけて言いました。

「おまえを私の物にする。いいな?」


娘は言いました。

「嫌です。」


「そうか」

そう言うと、領主様は帰って行きました。


町の人たちは断ってよかったのです。

それに気づいた町の人たちはおこりはじめました。

「私の娘をかえせ!」

「僕の恋人をかえせ!」


おこった人たちによって領主は捕まりました。

領主はおもいました。

「どうしてその時にいやと言ってくれなかったんだろう」

「いやと言ってくれればやめたのに」


処刑台に連れて行かれながら領主はおもいました。

「どうして何も言ってくれなかったんだろう」

「なにか言ってくれれば良かったのに」


ギロチンが落ちるとき領主は思いました。

「なにか言って欲しかった」


すとん


頭がおちました

話もオチました。

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童話 言って欲しかった lsリゃi11e四pnンm5ークgwm4 @anibdnyscbuhbcefh

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