第一章 お、俺の出番が・・・!!

突然後ろから声がかかった。


「あ“?」

「え?」


声がした方・・・俺の後ろを振り向く。


茶髪で質素な服を着ているが、素材もいいし、なにより口調が平民のそれじゃない。


「君たちはいったい、こんなところで何をしているんだ」


きりりとした顔つきで青年が尋ねてくるが、その右手には杖を構えている。


「なにってなあ・・・」

「おれたちゃあ、こいつとちょ~っとだけお話してたんだよ」

「そうそう、金をくれってなあ」


ゲラゲラと顔を合わせて笑い出す。


「・・・なるほど、つまり君たちは」


距離を詰め、俺を背中にかばう。


「ナイフで脅しつつ、この男から金をせびろうとしたわけか」


ちらりと見つめてきたので、俺は肩をすくめる。


「…まあ、そんな感じです」




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