第一章 とはいえ、目的は一体何だ・・・?
「あれれ。初めて来たから、迷っちゃったかな」
「よう、兄ちゃん。迷ったんか」
右手で頭をかいていると、その後ろから声がかかった。
「ええ、どうやらそうみたいです」
わざとらしく両手を広げ、声の主の方へと体を向ける。
すると、スキンヘッドの男に少し小柄な男、やせぎすな男がそこにいた。
「よかったら、俺らが案内してやろうか」
にっこりと笑っているが、その目は欲であふれていた。俺から何かを奪う気満々の目をしている。
「ええ、お願いしてもいいですか?」
こちらもにっこりと笑いながら、距離を詰めていく。
「そのお礼と言っては何だがよう・・・」
「さっさと金をよこしな」
やせぎすな男はにやりと笑うと、懐からナイフをとりだした。
「・・・金?何のことです?」
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