5 アイスはおあずけ

//SE:壁越しのドライヤーの音 位置:正面 フェードインして五秒ほどしたのちドライヤーを切る音

//SE:ドアが開く音 位置:正面


[位置:左、距離:遠]


「ふぃー、ミツキちゃんお風呂から戻りましたよー」


//SE:フローリングを裸足で歩く足音 位置:左から正面


[位置:正面、距離:遠]


「みずみずみっず~」


//SE:冷蔵庫を開けてペットボトル手に取り冷蔵庫を閉める 位置:正面


「……っぷはぁー結局一番美味い」//セリフ前に水飲む音があっても可


「あ、あなたがさっき上がった時言えばよかった。アイスあるんだけどいるー?」


「うん。前に買ってたんだけど、今私ダイエット中だからー」


「あーチョコミントだけど……」


「フ……あなたは歯磨き粉とかほざかない、の人間のようね。歓迎の証にこのウルティマカップチョコミント味をあげる」//かっこつけた漫画のキャラみたいな喋り方


//SE:何かを投げる動作を思わせる布こすれ音 位置:正面、距離:遠

//SE:何かをキャッチするような音 位置:正面、距離:近


「……めんどくさいからスプーンはセルフサービスよ。そこの棚にあるわ」//かっこつけた漫画のキャラみたいな喋り方


「私の周りさぁーなーんでかチョコミント好きな人って全然いなくてさー。同僚の子も上司みたいな奴もみーんな歯磨き粉とか言ってくん――」


//SE:スマホのバイブレーション音が鳴り出す 位置:正面


「――ちょっと待って」


//SE:バイブレーションは二度目の途中で切れる 位置:正面


「はい」


//電話からの返答の間 一秒ほど


「……え、なんで?」


//電話からの返答の間 一秒ほど


「マァジでぇ? じゃあ移動――」//めんどくさそうな声


//電話からの返答の間 五秒ほど


「嘘でしょ? もー最悪。……え? ないよ、私の持ってる九ミリのピストルとナイフだけ。予備マグも一個しかない。前使った時にここ補給とかしてないでしょ」


//電話からの返答の間 一秒ほど


「そうあの子、弾使いすぎだっていっつも」//若干うんざりしたように


//電話からの返答の間 三秒ほど


「え、それはやだ、置いてかない」//半ば咄嗟な言い方


「……えっと、だってホラ、前のヘマもあるし、その上クライアントの意向も守れないなんてダサいじゃん」//取り繕うように少し早口めに


//電話からの返答の間  一秒ほど


「違うから」//恥じらいを平静な声で装うように


//電話からの返答の間 四秒ほど


「うん……うん、それでお願い……了解、できるだけ急いで」


「緊急事態。ごめん、チョコミントおあずけ。それこっち投げて」


//SE:投げるような動作を思わせる布こすれ音 位置:正面、距離:近

//SE:何かをキャッチするような音 位置:正面、距離:遠

//SE:冷蔵庫を乱暴に開け、アイスを放り入れ、乱暴に閉める音 位置:正面、距離:遠


//SE:フローリングを走る音 位置:正面から右、距離:遠

//SE:掃き出し窓を勢いよく開ける音 位置:右、距離:遠

//SE:フローリングを走る音。目の前に 位置:右から正面、距離:遠から近


「こっち来て」


//SE:フローリングを走る音二人分。できれば足音の重さが違う。 位置:正面


「えーっと、ピースメインの二十二巻のトコにー……二十二どこ……あった!」//独り言っぽい声量


//SE:スイッチを押すような音 位置:正面

//SE:重たい金庫の扉が開くような音 位置:正面


「ジャーン、こちら隠し部屋になっておりまーす。先に入ってて。私ちょっと準備あるから」

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