第4話 チョコあげたい

 紹介してくれた友人に毎夜ごとに相談している。無料で離れた場所の友人と電話できるのは本当にありがたい。


「借りねー。気にするものではないと思うよ女なんだし。私は女の特権使えばいいと思うよ」

 もしかしてと友人の声は弾んでいる。

「すきなもんあげたいとか思っちゃう系?」

「うん」

「あー、そういや。チョコ好きだったはず。高校の時よく食べてた。安いヤツ」

「チョコか。時期じゃないけど」

「秋になったら送ってみたらいいじゃない?」

「口実何にしようぅ」


「今回の貰ったもののお返しでも何でもいいじゃん。お菓子だったんでしょ? ただあげたいからとか疲れているからとか。理由はいろいろあるよね」

「そうかな」

「そうだよ」

 共通の友人の言うことだから信じたい。

 友人からの電話を切って、代わりに彼のラインを探す。

 ☆☆☆

 秋口に会う約束を取り付けた。繁忙期にかかり始める時期らしく、

「対応できなかったらゴメンね」

 と言われた。さすが大企業。そんなに手は抜けないだろう。

 仕事の都合で流れてしまうかもしれないが、ある疑問が浮かんできた。

「社会人男性に喜ばれるチョコっていったいなんだろ?」

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