星離雨散のスターゲイザー
歩くことをやめた私は、ただただ空を見上げていた。何もなかったこの場所だったが、気がつくとそこには今にも降ってきそうな満天の星々があったからだ。
星たちの光はとても儚げだが美しく、そして悲しげに光っているように見えた。彼らは何年も、いや、数百、数万年も光続けてやっと私達にその存在を知らせているのだ。
そんなにも長い間、誰にも気づかれないというのは、どんな気持ちなのだろうか。
そんな星たちから、目が離せなくなっていた。
何故だろう。
全てのことがどうでもよくなって、歩くことも、考えることも、もがくことも、やめてしまったのに。何故こんなにも見つめてしまうのだろう。
「そっか。あれはあの日壊れた、私の心の破片なんだ。」
空に映った私の顔に、一筋の流れ星が降った。
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