第19話 ボス戦は俊敏全振りで


前回のあらすじ:どうも皆さんこんにちは、ステータス的には圧倒的に氷タイプのクセに

        毒舌とツッコミのキレが良すぎて毒タイプと友達に言われたセイです!

        新しき新天地しんてんちを求めて東の森へ。

        頭にツノが生えた目が赤く充血じゅうけつしてクッソ怖い

        天使要素てんしようそゼロな狼さんと戦ううちに、

        知らぬうちにボスエリアへ。ダレカタスケテ!!


「《跳躍ちょうやく》!《跳躍》、《跳躍》《跳躍》《跳躍》〜ッ!!」


とりあえずぴょんぴょん飛び回る。

白い刃がどんどん飛んでくる。

どうねらってきたー!!

すんでのところでスライディング直後ちょくごに地面すれすれに飛んでくるのでまたジャンプ。

ああああああああ!!

精神的体力せいしんてきたいりょくが削れる!!

と、その時。


〔フェ…ル…ゃん!…きて!おね…い、起きて!〕


ふとすっかり忘れてしまっていたいつかの水の精霊、ディーネの声が聞こえたような気がした。


「ディーネ…?」

『危ない!』

「うぉっ!」


のけぞった俺の頭上を白刃はくじんが通り過ぎる。


『んもう!ボーッとしないでよ!コッチがハラハラするじゃん!!』

「すまんすまん…」


と、いうか。

敵はどこなんだよ!!

木で見えねぇ!!


「あぁ、もう!めんどくさいッ!!」


気配察知で敵の位置を確認して接近せっきんする。


「ッ!」

「グルルルルル………」


狼…?

黒い毛並けなみ、赤い目、一対いっついつばさ

それこそキャンピングカーほどの大きさの狼がこちらを睨んでいた。

だがなんだろう。

俺にはその目が…、助けを求めているような気がしてならなかった。


「グルァ!!」

「っと!ゼフィ!」


念動で飛んできたゼフィをかまえて後ろに飛び退すさる。


「鑑定」


〜〜*-*-*〜〜〜

名前:フェンリル

位 :レジェンドボス

詳細:闇にちし神狼しんろう

〜〜*-*-*〜〜〜


「れ、レジェンドボスッ!?」


やっば!マジでヤバいじゃん!!

(レジェンドボスは1%以下の確率で出てくる普通のボスの数倍強いやつだよ☆)

詳細もうちょっと頑張って!それじゃ詳細じゃなくて称号だから!


〈あるじ、SPって残ってる?〉

「SP?あぁ、30くらい残ってるが…」

全部ぜんぶ俊敏しゅんびんに振って!!〉

「えっ、え、あ、わかった」


急いでステータスウィンドウを開き、SPを押す。


《SPを使用しますか?》「YES」

《何P使用しますか?》「すべて」

《どれに振りますか?》「俊敏」


風が俺を包み……、ふわりと解ける。


「っ!」


するといつにもなく全能感が溢れてくる。

いつもならこんなことはないんだが、こんなに力があふれてくるんだし、ちょっとくらい調子ちょうしに乗ってもいいよね!

俺は走り出す。

先程さきほどよりも速く。

もっともっと速く。


「いくぞ!」

『あいあいさー!』

了解りょうかい!〉

〈や、やるぞー!〉

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