第34話 エルフの茶


 アタシからお湯を汲んで……器に直接じゃなくて、注ぎ口がついた器に入れて。


 ゆーっくり、お抹茶を入れたらしい器に注いで。


 茶筅で、シャッ、シャッとかき混ぜていく。


 その姿でさえ、『板についている』。


 もともとのエルフとしての美しさも相まって、絵を見ているようだわ!!


 すっごく、綺麗!!



「……どうぞ、一服」



 ミディアちゃんが、おじいちゃん神様に出来上がったお茶を差し出せば……おじいちゃん神様は、軽く頷いて……茶道の作法のように受け取り、ゆっくりと飲んでいく。


 全部は飲まずに、半分残したのか……すぐに置いて。



「今日はこれを用意したのじゃ」



 持ってきた包みから出したのは!!


 美味しそうな上生菓子!?


 季節かわかんないけど……梅の形!?


 めちゃんこ美味しそう!!



「おおきに。ほな、うちも用意させていただきますー」


「うむ。儂は先にいただこう」



 って、いつのまにかミディアちゃんが用意したらしい……お皿と竹串でぱくぱく食べてく!?


 飯テロ……されてるわぁ!!



「……ポット。唸ってどないしたん?」



 ミディアちゃんは至近距離だから、アタシがうーうー言っている声が聞こえたようね?



『……美味しそう』 


「口あったらなあ? 茶も飲めんやろ?」


『……そうなのよ!』



 なんで!


 こんな苦行を強いられなきゃなんないわけぇ!?


 マイペース神様は、アタシを選んでどうしたいのよぉ!!


 とりあえず……二人のお茶する光景を見てるしか出来なかったわぁ……。

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