俺は神様を殺したい〜不具合で転移した俺は神に愛される〜
こたつムリ
プロローグ 終わりであり始まりである
「っ〜!よっしゃああ!!」
自宅のベットの上で飛び跳ねている俺は
そう、今まではー。
今から5時間前。午後5時、学校の裏庭にて。
「あ、あのね…加美君。ずっと言いたいことがあってね…」
あれ?俺、もしかして…今から告白される!?
高校3年の冬。俺はこんな時期に裏庭に呼び出され、
「好きです!私と付き合ってくだひゃい!」
告白された。そう、こんな可愛い彼女が俺に出来たのだ。勉強も運動もイマイチ。顔はイケメンと言える程でもない普通の高校生だった。友達は少なく交際履歴も無い。つまらない高校生活を送っていた俺だが、今年の冬に
「もちろんさ。」
春が来た。彼女は成績が良く、誰にでも優しく接し俺みたいな陰キャにも笑顔で話しかけてくれる云わば学年のマドンナだ。顔もめちゃくちゃ可愛い。恋愛とかこんな時期だから諦めていたけど…いやー、俺の人生最高かよ!!
そして、現在に至る。
「ああああ!!ッは!そうだ!LINE!何て送ろう…。」
考え込むこと10分、俺は今までにないスピードでメールを打った。
"おやすみ。俺のプリンセス♡"
「いや、さすがに俺キモくね?」
急なキモさに俺自身が1番引いていた。それにしても、なんで俺と付き合おと思ったんだろう。他にいい男は沢山いるだろうし…うーんと独り頭を抱えて唸る。絞り出した結論は
「まぁ、いっか。付き合えたんだし。それが事実だ!」
何故か知力が低下していた。ベットの上で転がり、俺は独り言を呟く。
「あー、これからハグとかキスとかセッk…とかしたりするのかな?…やばくね!!?」
俺が大声で叫ぶとガチャと部屋の扉が開いた。
「兄ちゃん!うるせぇ!!」
弟の
「流星〜!聞けよ〜!兄ちゃんな彼女できたんだぜ!」
流星はしばらく硬直してから、マヌケな顔をして鼻をほじりながら
「は?カノジョ?兄ちゃんに?ついに自分で脳みそを洗脳するようになったのかよ。」
部屋を出って行った。
俺はよろめきながら、ベットの上にうつ伏せで倒れた。感情を無にする。枯れたような声で俺は早口に独り言を呟く。
「…いや、流星はまだ小学生だし?ガキだし?まだまだお子ちゃまですし?仕方ないかー。あはは。」
そう自分に言い聞かせ、スマホを手に取りLINEを起動する。
「こんな時は、愛しのプリンセスに癒しを…」
ピロン
1件の通知が来た。
「
和真は俺の数少ない友達の1人だ。通知をタップする。
…え?
衝撃が走り、声が出なかった。恐る恐る和真から送られた写真をタップする。
俺はすぐに電源を切った。何も見てない。俺は何も…。
写真にはクラスメイトのグループメッセージの内容が書いてあった。そこには告白してきた彼女が罰ゲームでモテないクラスメイト3人と付き合うという内容だった。
"ひゃい!ってww"
"翔馬君顔赤くなってるのオモロすぎw"
和真がそれをどこで知ったのかは知らない。でも、
「…なんだよ。流星の言ってた通りじゃん。」
俺が自分自身を勘違いしていたのは確かだった。俺が告白を受け入れたのは、こんな自分に彼女が欲しかっただけ。俺にも他の人に自慢できる何かが欲しかっただけ。俺は結局、自分自身を洗脳していたんだ。俺は学校の1番羨ましいやつだと思うために。
「はぁ…俺って、本当にクズだなぁ。」
涙が頬をつたる。顔を枕に叩きつけた。それでも、涙は止まらなかった。
「なんでだよ…ッ!俺は…俺はッ!」
震える声を喉から絞り出し、わんわん泣いた。久しぶりだと思う。こんなに泣いたのは。こんなに惨めな気持ちになったのは。
「クッソ…ッ!がああああ!!」
「人間と言う生き物は本当に哀れね。」
え?
「君、うちの世界に来る?」
「だ、誰だ?どこにいる!?」
「あははっ!そっか、君は初めましてか。私ねー」
そして、俺の前にアレ派現れたんだ。
「君のプリンセス♡なんちゃって。」
殺したい神様が。
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