レンタルルームの悲哀 (短文詩作)

春嵐

第1話

 公園の端のところに、レンタルルームがある。ワンコインで1日。部屋に入るときコインを入れて、出るときコインが返される仕組み。


 コンテナみたいな外見と裏腹に、内装はそこそこ普通らしい。普通に部屋なんだとか。


 でも、使う人は少ない。


「利用規約のせいだな」


 彼。


「使ったことあるの?」


「あるよ。だから内装も知ってる」


 そっか。


「壁にな。でかでかと貼ってあるわけだ。『この部屋は全て録音録画されています』ってな」


「それは使いにくいね」


「そうか?」


 いかがわしい使い方が一切できない。コンテナルームのくせに。


「あなたはその部屋で何してたの?」


「いや、まあ、色々」


 あれ。なんかあやしい。


「え、何?」


「いや、なにも」

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