QR
玄門 直磨
プロローグ
今、
「早坂君。どうしたの? あなたの積年の恨みを晴らすチャンスなんだよ? 何をためらう事が有るのよ。後はその銃の引き金を引くだけで、お姉さんの仇を取ることが出来るんだよ?」
だがそんな思いとは裏腹に、銃を握るその手は震えている。銃口は石黒を向いているが照準がまるで定まらない。手の平にじっとりとかいた汗で、今にも銃を落としそうになる。
やれ! やっちまえ!
心の中の声が脳内に反響する。その声はどんどんと大きくなり、人を殺す事の罪悪感や、倫理に反する考えなどはどうでも良く感じる。今、石黒の命は自分が握っている。そう思うと、にやけが止まらなくなってくる。
頭を撃って殺すべきか、手足から撃ち散々苦しめてから殺してやるべきか、そんな事を考え始める。
「どのみちこの男はもう助からないかも知れないんだよ。だったら早坂君の手で止めを刺すべきよ」
早坂はその言葉に頷くと、銃を握り直し改めて銃口を石黒の頭に向けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます