詩「巨人」
大きな方だった
体も大きかった
だがそれ以上に
その存在が大きかった
名前は日本だけでなく、世界に響き、轟きわたっていた
心も広かった
あまりにも有名な方で
あまりにも大きな方で
僕は小さすぎた
「恩師」
とても使えなかった
「指導教官」
それがせめての関係だった
いま
教えていただけたことを、誇りに思い、胸に刻む
「これはどういうことなのでしょう?」
いつも聞いてばかりいた
ニコニコされるだけだった
答えを、いつももらえなかった
今ならわかる
自分に力がなく、答えるに足る問いでなかったこと
自分で考え、自分で道を切り開いていくことを待っておられたこと
学生たちの成長を、常に考えておられた
もう、声に接することはない
返していかなければいけない
いただいたものは
返していかねばならない
学んだことは
返していかなければならない
温かい、あの大きな方がおられなくとも
一生が、学びである
背中で語っておられた
それを理解できなかった
先生、私はしっかりとは学べませんでした
申し訳ありません
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