第1120話 モグモグ……ボンッ
「さて、そこで黙っているのは……妖精では無いかな?何を作っている?吾輩も腹が減ったぞ」
「……いやはや。ルーマニア、いやドイツでも有名な伯爵様がコミケに出没しているとは聞いていたが……マジでいるとはな。驚いたぜ……」
「はぐれ妖精、この前文化祭に来ていた」
「機械神が対応していたからスルーしたけど、仲間?」
「おう、多分ランクルだな。一応協力関係ってやつだ。今はオフだから繋がりはねぇよ。メニューはこっちだ。ぶっ飛ぶ旨さなのは保証するぜ」
伯爵がラクドさんに話しかけに行く。
カイラさん、ミュレさんもついて行くようだ。
伯爵もピザに興味があるのかね?
ボンッ
「はふはふ……慣れたらそーでも無いな、これ。辛みのリミッター壊れてるけど辛さを感じるし、チーズの旨みがあとからゆっくり拡がっていくね。このチーズ、深層産かな?もぐもぐ」
「もぐー」
「お、りゅうくんも美味しいの?ミートパイも美味しそうだよねー」
ボンッ
「ミートソースっぽいやつも美味しい。ひき肉の脂かな?後から微かに甘みがあるね。これ、辛くなかったら普通に売れそう」
「……爆発になれるの早すぎだろ。りゅうくん見てみろ。驚いて食べるのやめたぞ?」
「そうは言っても熱々のうちに食べないとな。食べ終わったらポーション飲むわ……はふはふ」
ボンッ!
レッドバルーンハバネロ、慣れると奥に甘味を感じてきたぞ。
ハバネロも生で齧るとほんの少しだけ甘いんだよね。
ほんの少しだけね。
爆発もパチパチする駄菓子みたいな感じだし、全然美味しく食べる。
「……あむ……ん!うまー!ぱい!ぱい!」
「……りゅうくん、美味しいか。本当に辛くはなさそうだな……全く、お前たち家族ははぐれ妖精を信頼しすぎだろ」
「そうは言ってもだなー……あむ」
バフッ!
「はふはふ……まぁ、美味しい料理を作る人に悪い人いないですし?」
「……爆発しながら食べる奴があるか。子どもは耐えきれないだろ」
「……大丈夫、いざとなればポーションあるし、りゅうくん用に回復魔法も準備ずみってな。あ、そういえば。なんかこの前のデスバレー?ダンジョンから帰ってきてから成長したみたいでさー。」
「……は?」
「いやね、戦闘スキル以外なら『迷宮解放』使わなくても地上で自由にスキル使えるようになったっぽい。まぁ、性能はほぼ8割減してるけど。コミケ着いた時にこっそり『迷宮掌握』使ってみたけど特定の人を探すとかは無理だったよ。ざっくり手書きの地図が頭の中に出る感じやね。昨日あたりに気づいた」
「……お前、本当に、人間か?亜人でも地上でスキル使うのは上位種だけしか許されていないのに……」
……人間ですー。
あ、りゅうくんお口がベトベトだ。
タオルタオルっと。
あと、エクス早く食べろよ。
ちゃんと美味しいから。
バフッ!
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