第1113話 エクスと合流
「……で、お前と出会ったって訳」
「……タイミング良すぎるだろ。俺の動きでも監視してたか?」
「お前じゃないんだからするかよ!お前こそ会場の監視カメラハッキングしてたんじゃないのか?」
「……ワンオペで忙しいから無理だぞ」
「ワンオペ(分身)だろうが……」
はい、フードコートでエクスと出会いました。
いや、偶然にも程があるだろ……
エクスはゆりと一緒にコミケに来て来場後すぐ自分のブースで販売を始めたそう。
エクスのサークル『爆裂無双鉄鋼帝国』は小物関係の同人誌を約8年出し続けているそう。
コアなファンが多いそうでスイカブックスにも委託しているらしい。
……あそこってオリジナルも取り扱ってたんだ。
「……コミケの飯は色々あるぞ。ソーセージ関係は向こう、ケバブとかはあっち側だな」
「わー、今年は多いですねー。前来た時は少なかったような?」
「……ダンジョン食材を使う店が増えたらしい。どこぞの誰かがダンジョン探索を盛り上げてたからな」
「へー。そんな人おるんか。意外やなー」
「……自覚しろよノーテンキ」
「シバいたろか?」
……一瞬ボケたらこれだよ。
まぁ、ダンジョン食材を使う店が増えたのは事実ですしね。
一般探索者はもちろん、元々専業で探索していた人達も食材としてモンスターを狩ることが増えているそう。
なので市場に食材が流通してきているらしい。
オーク肉、前は結構高めのお肉だったのに今じゃちょっと贅沢しようかな?のレベルのお値段になりました。
まだワイバーンやドラゴンの肉はバチくそに高いけどね。
「わー、どこもひとがいっぱーい」
「あいすー、ういなー、ほとどっくー」
「全部食べてみたーい。けどこの後も動くからなー……よし、あそこのホットサンドに行ってみようかなー。あらたは?」
「んー、俺はさっきコンビニで軽く食べたしなー」
「……じゃあ、俺に付き合え」
「えぇ……」
「……ガチで嫌そうな顔をするなよ」
エクスが誘ってくる時はなんかある時じゃん。
飯基本こっちから誘ってたし。
やな予感しかしないんやけど……
「じゃ、ご飯買ってきたらこの辺りでまた集合で!ちりちゃんはママと一緒に行こうね」
「うん!ホットドッグたべたい!」
「……りゅうくんは何か食べたいのがあるか?」
「んー。みとぱい」
「……なんだって?」
「ミートパイだよミートパイ。りゅうくん、アメリカに行ってからパイにハマったんだよねー。ハンバーガー屋さんなのにパイが有名なお店に行ったんだけど」
「……お前、あそこに行ったのか」
「あれ?エクスも知ってたの?有名店なんやねー」
「……はぁ、何事も無かったならいいが……あーさん、りゅうくんはしっかり守っておけよ」
「……何事?」
エクスが神妙な顔をする。
いや、こいつ基本感情ないから変わんないか。
ゴッ
……痛い。
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