第1097話 官房長官と会話

「……その辺は深く突っ込みません。ブラックボックスでいいです」

「ブラックボックスて……そこまで言わなくてもいいじゃないですか。あれ?そういえばイサマさんはなんで呼ばれたんですか?」

「あぁ、それは今日の視察に松木官房長官がいらっしゃるんです。コボルト族の族長でもあるイサマさんと是非会談したい、とのことで」

「へー……は?!か、官房長官??」

「誰、だ?」

「イサマさんはご存知ないですね。松木官房長官はざっくり言うと副族長ですね。あの方は元町役場職員で、現場第一を掲げられてますから。今回の視察も年明けに予定されてたんですがまとめてやろうと。あ、いらっしゃいましたよ」


立川さんが目を向ける。

向こうから大勢の人を連れて歩いてくる男性が。

本当に松木官房長官じゃーん……


何でも日本とイサマさん達コボルトと友好関係を結ぶために事前協議を行いたいとのこと。

まだシークレットなので今回のキャッスルクラブの視察と一緒にどこかの部屋を使用して開催したいそうな。

まぁ、部屋だけならあるからねー。

オークション前に色々調べたけど隠し部屋とかも含めると100位は余裕であるし。

松木官房長官はそのまま俺の元へ。

……官僚の方と話すのこの前のゾバトレル以来で緊張するー。

あ、この前もいらっしゃいましたね


「朝早くに申し訳ないです。内閣官房長官、松木です」

「と、どうも。田島です。ゾバトレルの時以来ですね」

「そうですね。あの時はありがとうございました。改めて感謝の言葉を」

「いえいえ……」


あれは国民として当然ですから。

軽く挨拶をした後に官房長官はそのままイサマさんの元へ。

……こう見ると松木官房長官もデカイな。


「本来ならこちらからお伺いしないといけないのに、申し訳ないです」

「否、不要。助けを求めているのは我ら。ちじょう、出てよかったのか?」

「何か言われたら私が責任取ります。これでも権力は少々ありますので」

「なるほど、では、話の内容を」

「あ!それはまだ先です。まずは屋内、という名のキャッスルクラブを出してもらってからです」


立川さんの言葉で思い出した。

緊張して寒さ忘れてた……

はよ風がしのげる場所作らねば。

立川さんからキャッスルクラブを置く場所を教えてもらう。

場所は臨海公園の横にあるヘリポート。

正確にはヘリポート横の空き地ですね。

アスファルトで固めてあるけどほぼ地面ですね。


「大きさはこの前見た限りではこれで足りるかと思います。入口はこっち方向に向ければ搬出時にスムーズに出来るかと」

「なるほど、この橋を渡って広場に持っていくんですね」

「そうなります。ビリライブ、ねおばーちやる両運営もここにキッチンカーを置くそうなのでこのルートは塞がないようにして欲しいですね」


ふむふむ……

キッチンカーの料理も美味しいよねー。

揚げピザとかこの時期食べたくなります。

肉まんや唐揚げ棒もいいけど、とろりとしたチーズが熱々だから寒い時にハフハフ言いながら食べるのがいいのです。

あ、でもアメリカンドッグもいいなー……


「……っと、別のことを考えてた。早く出しますかね。そーれ!」


俺はアイテムバッグからキャッスルクラブを引っ張り出した。

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