第1096話 早朝の公園に集合
「うぅー……寒。やっぱ海の近くは冷えますね……あ、カイロいります?」
「我、問題ない。だが、あったかそうだな、それ。でも、何事だ?我、ちじょう?にでてきたが」
「俺もさっき聞かされたからですねー……うぅ、カイロ効かねぇ……」
さ、寒い……
はい、早朝のみなとみらいに俺とイサマさんで立っています。
ゆり達早朝出発組を見送ってからここまでやってきました。
チリちゃん、りゅうくんはまだお休み中。
午後から俺と一緒にコミケに行く予定。
エクスがゆりと一緒に行動するみたいだし、多分大丈夫やろう。
ちなみに伯爵は別移動するらしい。
コスプレのアイテム、持ち運び大変そうだしね。
あー……早く仕事終わらせて合流したいー……
現在いる場所は海が見える公園です。
……12月の朝に来る場所じゃないですね。
マジでカイロモミモミしないと立ってられない……
炎耐性はあるけど寒さ耐性はそんなにないのです。
「ここで、何するんだ?我、関係あるのか?」
「そうですねー。元々年末のライブで炊き出しする予定で色々許可が必要で……あと準備とかいろいろ」
「ふむ?人手、足りないなら手伝う。デーモンオーガの件、お礼」
「いえいえ、あっちは伯爵がいい感じに対応するっぽいので俺は何も……」
今日この場所にいるのはざっくり言うとキャッスルクラブの使用許可を貰うためです。
昨日トミーがキッチンの準備を忘れてたから慌てて関係各所に連絡した結果です。
元々は横浜『美食歓楽街』ダンジョンの上層で臨時キッチンを作ってガンガン作る予定だったけど準備できず、代替案としてキャッスルクラブを使用する案を出した。
ギルドの立川さんに連絡したらすっごい声が聞こえたよ……
色々関係各所に連絡するって言ってて大変申し訳ない……
トミーも伯爵も電話してたけどマジで国が動いたっぽい。
……何やってんだ亜人ズ。
……ライバーさんや、ファンの人に飯テロするだけの企画だったのになー。
あとオークションで落札したバビロニスタンのロナスさんにも連絡。
電話したら「モンスターの腹の中で飯作るんか!」って思いっきり笑われたよ。
キャッスルクラブで料理とか普通の人は考えないってさ。
まぁ、今回は臨時ってことで……
あ、ヘルプを頼んでいた讃岐さんにも連絡しました。
快くOK頂きました。
何なら讃岐さんの伝手で野菜とかも追加で用意してもらったそうな。
明日の朝イチで築地から送って貰うって。
ありがたいことです。
「ほんと、オッケー言って貰えて助かった……流石に地上で数万人分の炊き出しは厳しいから……ってこれじゃサプライズじゃないですね。ウゴゴゴ……当初のコンセプトがぁ……」
「ふむ、飯作るのか。ムムヌヲル、出すか?」
「あ、それもいいですねー。けど、伯爵も料理出すって言ってたしその辺はギルドの方々が来てから話しましょう。もしかしたらイサマさんが呼ばれたのはそれかな?」
「なら、皆に伝えて、食材集めねば。む、何か、きた」
イサマさんと話していると車がやってきた。
高級そうな黒いセダンがどんどん公園に入ってくる。
……あれ?思ってたより多いぞ?
保健所の人ぐらいだと思ってたんだけど。
車から女性が降りてくる。
「田島さん!おはようございます。イサマさんもおはようございます」
「む、おは、よう?」
「あ、立川さん。おはようございます。すみません、昨日は突然連絡して……」
「いえいえ……ちょっと眠かったですけど話を聞いて目が覚めました。田島さんってやっぱりSSSランクなんだなーって……」
「……なんですかその言い方」
あ、目逸らした。
いや、今回の件は俺が悪いのでほんと、申し訳ないです。
「代替案が代替案なのでギルド中てんやわんやでしたよ?まさかドイツとギリシャの日本支部から応援が来るとは思ってませんでしたが……どんな伝手ですか?」
「まぁ、あれです。この前のオークションで」
「……」
「本当ですよ?マジマジ」
知り合いがギリシャ国会議長の祖父のキュクロープスだったり、ドイツのSSSランクがゴーレムでその製作者と知り合ったとか。
そんなことは無いですから、はい。
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