第1066話 〈閑話〉あるバーにて

「グガァァ……グガァァ……グララララァ……」

「スピィ……スピィ……カッカッカッ……スピィ……」


「……おい、こんな所で寝るなよ」

「気にするな。というかお前の方が早く落ちると思っとったが、酒強いんじゃな!意外じゃ」

「……アルコールを体内に入れないように設定変更した」

「かー、これだから機械は。肉体の良さを理解しておらんな?酒は酔ってからが最高じゃというのに……マスター、スマンが毛布を2つ、持ってきてくれ。こやつらにかけておいてくれ」

「はい、お待ちを」

「……毛布まであるのかよ。いたれりつくせりだな」

「伯爵はいつもここで寝落ちするのが日本に来た時の習慣になっとるからな。ま、寝落ちした分お金もしっかり払っとるらしいがな。それにマスターはゴーレム……どんな秘密を話しても誰にも漏らさない。このバーは安全そのものじゃ」

「……はぁ、ならいいか」

「それにしても……鋼帝、お前あーさんの力、見たか?」

「……鋼帝はやめろ。そして……どの力のことだ?」

「そう聞かれると困るのう……この前、儂が感じたのは大地が波打つ感覚じゃな。日本で打ち合わせしとった時にドンッと鈍い揺れを感じた」

「……それは、これか」




『……我の前に顕現せよ、我が道を阻むものを粉砕し、祓え給え、清え給え。守り給え、幸え給え……『金剛阿修羅大観音』!』




「ほう……観音様か。しかも異形……何ともまぁ、禍々しいのう。というか映像に残していたのか」

「……配信してたからな。あーさんいわく、中学の黒歴史だと」

「はー、腕と顔がいっぱいあった方がカッコイイ的なことか?幼稚じゃなー……」

「……言ってやるな。だが、あーさんの力は更にヤバい」

「ほう?まだ秘密があるのか?」

「……ランファ、覚悟あるか?」

「……そのレベルが。覚悟を決めるなら他に誰が知ってるのか、聞いてもよいか?」

「……シヴァ、パールバティ、テスカトリポカ、ケツァルコアトル、トラロック、チャルチウィトリクエ。後は伯爵のゴーレムであるドイツの探索者と日本のSSSランク、バビロニスタンの首相だな。人間はシヴァが記憶改ざんしていたがな」


ブホッ!


「ゲホッ、ゲホッ……な、なんじゃ?!そのメンツは!インド最高神にアステカ神?それにお前となると……世界崩壊を呼び起こすレベルか?」

「……正直、人間に話しても信用されないレベルだな。あと神々しか知りえない話でもある……それでも、聞くか?」

「そこまで言われたら……聞かんでおこう。面倒事は、若いもんに任せるに限る」

「……それが懸命だ。何なら今最高神達が緊急会議をしているらしいしな」

「……それ、年末の宴会と言うやつじゃないか?」

「……それは言わないお約束だぞ。一応話し合いはしてるからな?最初の15分ぐらい」

「はぁ……神様と言うやつは……マスター、黒岳ロック」

「はい、お待ちを」

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